去る5月29日(金)~31日(日)までの3日間、小倉競輪場にで『競輪ルーキーシリーズ2020』の第2戦が開催されました。
早期卒業して一気にS級特別昇級を果たした後も優勝し続けている寺崎浩平選手(福井)やナショナルチームでもがんばっている菊池岳仁選手(長野)と同期の新人男子117期、女子118期のみで争うシリーズ。115期以前は累計でわずか14人しか出なかったゴールデンキャップ受賞者が6人もいる117期と、女子では過去に5人しかいないゴールデンキャップ受賞者が2人もいる118期という、まさに“ゴールデンエージ”たちの競演第2幕というわけです。
▶映像:連日、レースを生中継 ABEMAの競輪・オートレースチャンネル
ちなみに「太ももルーキーズ2020」なる特別サイトによりますと、新人たちの「顔」「名前」に加えて「太もも=脚力」も是非覚えていただきたいとのことなので、3日間のレースをレポートしていきましょう。
まずは男子117期から。注目は日本競輪選手養成所の卒業記念レースで優勝した青柳靖起選手(佐賀)と、“ヤマコウ”こと山口幸二元選手の次男である山口拳矢選手(岐阜)。卒記のコメントで「九州を代表する先行選手となって、先行でグランプリを獲りたい」と言っていた青柳選手の積極性に注目です。
5つの予選が行われた初日。第8レースは最終ホームがましの犬塚貴之選手(愛媛)の番手に付けた松岡辰泰選手(熊本)が渡邉晴智選手の息子・渡邉雅也選手(静岡)を連れてワンツー決着。第9レースは打鐘から行った山田雄大選手(埼玉)と水森湧太選手(東京)の埼京でやりあっているところに阿部将大選手(大分)がバックから捲って1着。第10レースは松本秀之介選手(熊本)が前評判通りの脚を見せて快勝。第11レースは最終ホーム手前で内を上手くすくって前に出た山口拳矢選手がそのまま逃げて初戦勝利。第12レースは最終バックから力で捲りきった青柳靖起選手がぶっちぎりの1着と、注目2選手は順当な勝利でした。
2日間の成績で決勝進出が決まるため、2日目もオールトライアル。6車立てとなった第8レースはバックから捲った松岡辰泰選手の一人舞台。同じく6車立ての第9レース、今度は2コーナーで内からすくってそのまま捲っていった山口拳矢選手の独り旅。第10レースは前日、捲りが見事だった阿部将大選手の捲り不発で橋本優己選手(岐阜)が1着となり、三連単37万車の高配当決着となりました。第11レースは鈴木玄人選手(東京)を突っ張り続けた松本秀之介選手の脚がタレたところを土生敦弘選手(大阪)が追い込んでの勝利。第12レースは前日同様5番手に構えた青柳靖起選手が再びバックから力で捲って1着となりました。
さて、最終日。初日は逃げ、2日目は捲りと抜群の競輪センスを見せつけた山口拳矢選手と2日とも捲りで他をねじ伏せた青柳靖起選手の技と力のぶつかり合いに、熊本同士で連携する松岡・松本がどう対抗するかに注目が集まった決勝。最初に赤板ホームから仕掛けたのは熊本コンビでした。その上からかましていった土生敦弘選手に付いていったのは青柳靖起選手。これは絶好の展開かと思いきや、その上をぶっちぎっていって、5車身差で圧勝したのは山口拳矢選手だったのです。
ゴールデンエージの中でも頭1つ抜けている感じがした山口拳矢選手。脚力だけでなく競輪の上手さが際立っていました。ちなみに父親である山口幸二元選手はツイッターにて……
「人気を2分した青柳靖起との差はレース勘。青柳は大事に行きたい気持ちと『拳矢より前にいたい』という焦りがあった。対照的に勝負処まで脚を溜めた拳矢。焦りと積極性は紙一重でもある」
と述べていましたが、まさしくその通りだと思います。
山口拳矢選手はきっとS級まで連勝で突き進んでいくでしょう。青柳靖起選手も勝負勘を身に付けていって上がっていき、2人は先で待つ寺崎浩平選手といずれ相見えることに……楽しみですね♪
続いて女子118期。注目は何と言っても卒記で優勝した尾方真生選手(福岡)。女王・児玉碧衣選手の師匠でもある藤田剣次一門であり、ツイッターにて「練習してるけど尾方真生にコテンパにされるんだけどwwwwちょっと強すぎないかい?たすけて~」と児玉選手に言わしめる最強の新人。同じく藤田剣次一門で前回の広島で準優勝だった廣木まこ選手(福岡)との一騎打ちになるのか、それとも他の選手が台頭してくるのか。
初日の第6レース、和歌山の競輪一家・布居光選手が先に仕掛けたところに合わせて発進したのは在所3位で人気を集めた西島叶子選手(熊本)。そのまま逃げ切るかと思いきや、追い込んだ廣木まこ選手が岡本二菜選手(東京)と連れてワンツー決着。第7レースに登場した尾方真生選手は最終ホーム手前から一気にスパートして、そのままぶっちぎっての逃げ切りという、鮮烈なデビューを果たしました。
2日目も予選が2つ。第6レースは太友花選手(福島)が欠車となっての6車立てでした。中村美那選手(神奈川)が最終ホームで叩こうとしたところに合わせたのは西島叶子選手。そのさらに上を捲ろうとした廣木まこ選手は出きれず。最後は増田夕華選手(岐阜)がハンドルを投げて1着となりました。第7レースは圧倒的人気となった尾方真生選手にずっと付けていた布居光選手が続き、三連単5,550円の中穴決着に。
そして最終日第11レース、ガールズ新人決勝。圧倒的1番人気に推された尾方真生選手は最終2コーナーから捲り発進。必死に食らいついていく廣木まこ選手と地元ワンツー決着となり、尾方真生選手は男子の山口拳矢選手と同様、完全優勝となったのです。いやぁ、強かった……。
姉弟子である児玉碧衣選手と対戦することになるその日が待ち遠しいですね♪
競輪の未来が見られる『競輪ルーキーシリーズ2020』も残すところ、あとひとつ。6月12日(金)~14日(日)に伊東温泉競輪場で行われる第3戦には山口拳矢選手や広島での初戦で優出した青野将大選手(神奈川)、長田龍拳選手(静岡)が登場します。女子は広島で優勝した永塚祐子選手(神奈川)が登場。山口拳矢選手と永塚祐子選手が再び完全優勝を果たすのか、それとも他の選手が壁になるのか、注目です!