経済産業省から持続化給付金事業を受託した一般社団法人サービスデザイン推進協議会が、事業を電通に再委託し「中抜きではないか」「税金の無駄遣いだ」などと批判されている問題。
経産省から同事業を769億円で受託したサービスデザイン推進協議会は、必要経費20億円を差し引いた749億円で電通に再委託。電通は必要経費104億円を差し引いた645億円で子会社の電通ライブや電通テックに外注し、そこからさらに外注…という構図になっている。
再委託するのであれば、経済産業省から電通へ委託すれば済む話だったのではないか。東京工業大学准教授の西田亮介氏は、「サービスデザイン推進協議会と電通は近しい関係にあることが指摘されている。同時になぜこういった一般社団法人を挟むかというと、急いで業務を進める必要など特殊な事情があり、これまでに実績がある電通にお願いしたいところだが、会計法によって原則として役所の業務は一般競争入札にかけなければいけないというルールがある。そのため入札に参加して貰う必要があるが、これ以外にも電通が受けている業務はたくさんあって、電通ばかり出てくるのはどうなのかと社会の目を気にしたのでは。想像の域を出ないが、そういう思惑が働いている印象を受ける」と推察する。
西田氏が業界関係者から聞く話によると、電通に仕事を頼むのは「勝手がいいから」なのだという。電通は日本最大手の広告代理店であり、「ソフト系の仕事というのは、一番大きな企業の方が顔が利き、つながりの力もある。電通はもともと国策会社から今のような形態になっていったということもあって、政府や政治と距離がとても近い」と西田氏は話す。
一方で、「税金の無駄遣い」という批判には注意が必要だと指摘。「そういう部分はあるが、持続化給付金は額面でいうと数兆円の事業規模。無駄かもしれないが、数兆円に対して20億円というこの問題がどうなのかは考えないといけない。持続化給付金に限らず今回、家賃補助なども含めて、立法による措置を取らずに根拠をはっきりさせないまま際限なく給付措置に予算を割いているところもある。そもそもこういう事業自体に根拠と効果は期待できるのか、法律を作って対応することが好ましかったのではないか」とした。
(ABEMA/『けやきヒルズ』より)
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