Mリーグ2019 朝日新聞ファイナルシリーズ・6月18日の第2試合で、セガサミーフェニックス・和久津晶(連盟)がこのシリーズ初出場・初勝利を挙げた。
この試合の対局者は起家から、KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)、U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)、和久津、渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)の並びでスタート。
1回戦はレギュラーシーズンわずか1ラスという“浮沈艦”エースの近藤誠一(最高位戦)がまさかの箱を割るラス。これを受けてプレッシャーがかかる登板となった和久津だったが「気楽な感じで『頑張って』と言われて、メンタルが安定」して対局へ向かった。
トップへ躍り出るチャンスが訪れたのは東3局。終盤にカン2筒のリーチをかけると、これを最終手番でツモりリーチ・ツモ・赤・ドラの1万2000点を獲得。一人浮きの状態となると、その後は守備意識の高さを随所に披露する、落ち着いた打ち回し。
南1局には平和をテンパイしているところで、白鳥のリーチへ一発で放銃、3900点を失った。和久津はこの結果を受けて、次局はドラ1の平和をダマテンに受け、赤5筒をツモって5200点の加点を果たした。
これでトップ獲りへ体制が固まると、オーラスは沢崎と白鳥のリーチを受けた場面で、放銃すればゲームセットとなる子方の沢崎へ技ありの差し込み。ファイナル初出場で、初トップを獲得した。
インタビューでは近藤からプレッシャーを減らす言葉で送り出されたことに加え、リードした後には繊細な守備意識があったことを打ち明けた。豪快なルックスとは裏腹にベテラン然としたクールな打ち回しに、ファンからは「和久津が最強」「ありがとう!和久津さん!」と賛辞が多数投稿された。
和久津は対局前日の16日、自身のツイッターにおいて、Netflixオリジナル・アニメシリーズ「バキ」大擂台賽編エンディングテーマである藤田恵名「DEAD STROKE」のミュージックビデオに「女子格闘家」として出演していることを公開していた。
毎日筋トレを欠かさず、鍛え抜いた体で女子格闘家の役もこなす和久津だが、この日は本業であるプロ雀士として卓上で堂々と戦い、エース近藤のラス分を直後に帳消しとする大活躍。チームはすぐに首位返り咲きを果たした。
最後に「首位は単純に嬉しいし、このチームで優勝したい。(近藤だけでなく)チームは4枚カードがある」と高らかに主張し、「(観戦していて)不安なところもあるかもしれないですが、最後まで全力で頑張ります」とファンへ健闘を誓った。
エースのマイナスを即座に他のメンバーが打ち消した快勝劇。どんな競技でも、強いチームにはチームワークがあり、その信頼がさらに選手たちを強くする。最後はキリっとポーズを決めた和久津のその目に、優勝を強く信じる意思の強さが見て取れた。
【2回戦結果】
1着 セガサミーフェニックス・和久津晶(連盟)3万4200点/+54.2
2着 KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)2万3400点/+3.4
3着 渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)/2万1500点▲18.5
4着 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)2万900点/▲39.1
【6月18日終了時点での成績】
1位 セガサミーフェニックス +178.3(6/12)
2位 U-NEXT Pirates +99.8(6/12)
3位 渋谷ABEMAS +32.7(6/12)
4位 KADOKAWAサクラナイツ ▲52.1(6/12)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)







