ファンならば誰もが目を覆う惨状から、大復活を遂げた。Mリーグ2019 朝日新聞ファイナルシリーズ・6月19日の第2試合で、渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)が箱を割ってからの大逆転。逆転優勝へ望みをつなぐ、価値ある1勝を挙げた。
この試合の対局者は起家から、松本、セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)、KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)、U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)の並びでスタート。
松本は東1局、好調を維持する魚谷のリーチを受け、あっという間に跳満の親被り。いきなりラス目からの滑り出しとなった。その後も魚谷に加点を許し、東3局には沢崎のリーチに追っかけた牌が御用となり、これが痛恨の1万2000点の放銃。東場で持ち点が0を割ってしまった。
しかしこの夜の“卓上のヒットマン”の目は、反撃のチャンスを逃さなかった。南1局、9筒ポンからの積極的な仕掛けでホンイツをテンパイすると、これを小林からアガって1万2000点を獲得。その後もアガリを重ね、南1局4本場ではリーチ・一発・ドラ1の9600点(+1200点、供託1000点)を小林からロン。この親番で約4万点の加点に成功した。
その後は沢崎、魚谷とトップを争い三つ巴となったが、ラス親小林のドラ3枚を抱えたリーチに危険牌を切り飛ばし、平和をツモって自ら幕引き。松本は価値ある大逆転トップを獲得した。
インタビューでは「偶然だし、たまたまだし、奇跡かもしれないけど、本当に嬉しいですね」と謙虚に勝利を喜んだが、控室に戻ると白鳥翔(連盟)をはじめ、チームメイトが感動の涙。松本の顔も崩れた。
松本は今期、レギュラーシーズン、セミファイナル、ファイナルと好勝負を見せるもなかなか運に見放され、トップが遠い苦しみを味わってきた。好配牌でもツモが悪かったり、いい待ちの勝負もアガリ牌が王牌に眠っていたりなど、ツイてないシーンが多かった。しかしこの土壇場では、これまでの鬱憤を全て晴らすが如く、親番での大爆発、大逆転のトップをもぎ取った。
キャプテン多井隆晴(RMU)の薫陶を受け、好内容をしばしば見せていても、実力の割に結果が出ていない不遇の時期を過ごした松本。優勝という結果の前では、その苦しみも報われるはずだ。
【2回戦結果】
1着 渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)3万9600点/+59.6
2着 セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟) 3万3500点/+13.5
3着 KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)2万4800点/▲15.2
4着 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)2100点/▲57.9
【6月19日終了時点での成績】
1位 セガサミーフェニックス +201.9(8/12)
2位 U-NEXT Pirates +119.1(8/12)
3位 渋谷ABEMAS +66.3(8/12)
4位 KADOKAWAサクラナイツ ▲128.6(8/12)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)







