接触確認アプリ “国民の6割がインストール”は実現可能なのか メリットを感じられる仕組み・エンタメ性も必要?
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 19日、厚生労働省が新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」をリリースした。西村経済再生担当相は「プライバシーに十分な配慮が行われており、感染者が誰であるかはわからない。通知を受け取れば感染の可能性をいち早く知ることができるメリットがある」と述べ、国民にインストールを呼びかけている。​​​​​​​

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接触確認アプリ “国民の6割がインストール”は実現可能なのか メリットを感じられる仕組み・エンタメ性も必要?
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 先行している中国のアプリの場合は氏名・電話番号・行動履歴などを管理し、バス乗車時などにはこれを用いて健康状態を証明する必要があるという。また、韓国のアプリの場合、濃厚接触者はインストールが必須となっており、位置情報・クレカ・監視カメラなどの情報とリンクしている。

 ITジャーナリストの三上洋氏はは「日本の場合、やはりプライバシーに思いきり振ったものになっているので、位置情報、それから住所・氏名・電話番号も取らないので、誰と誰が濃厚接触したのかも国側は把握できない仕組みになっている。その反面、中国や韓国のような追跡をすることはできない」と話す。

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 また、アプリの効果が十分に発揮されるためには、普及率がカギになってくるといい、オーストラリアはBluetoothを利用した日本と類似のアプリで、登録者は人口の2割強にとどまるようだ。接触確認アプリ有識者会議の藤田卓仙氏は「オックスフォードなどの研究では、国民の6割くらいが入れないと、こういったアプリというのは有効に機能しないという話もある」と指摘する。

 三上氏は“国民普及率6割”について、「日本で実現できているアプリはLINEぐらい。正直言って、実現は無理だと思う」と話す。実際、メジャーなサービスの普及率を見てみると、LINEが8400万人(66.7%)、Twitterが4500万人(35.7%)、Instagramが3300万人(26.2%)、Facebookが2600万人(20.7%)、PayPayが2500万人(19.9%)となっていることからも、6割の壁がいかに高いかがわかる。

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 「利用者を増やすために、アプリを入れたひとにポイントをあげるとか、PCR検査を優先的に受けられるといった案もあった。しかしよく考えてみると、マスクは自分が感染しないためではなく相手に感染を広げないためのものなのに、気づいたら国民全員がするようになっている。あのように、みんなが接触確認アプリを入れていて、“まだ入れてないの?"という世界にしていった方がいいのではないか」(三上氏)。

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 同様の接触確認アプリが導入されているフランスに住む「2ちゃんねる」創設者のひろゆき(西村博之)氏は「例えば高齢の人と会う時に、自分が感染している可能性があるということがわかっていれば、“相手が死んでしまったら、自分が加害者ということにかもしれない”という嫌な気分になる。それがメリットなので、基本的には全員が入れておいた方がいいと思う。。ただ、フランスでは自分の周りで入れているという話を聞いたことがない。実際、入れていても表示も何も変わらないので面白くないし、意味があるのかよくわからない。せっかく入れているんだから、何人と会ったかなど、“接触した感”がもう少し欲しい。そして、“プライバシーに配慮している”という言い方をしていたが、そういう言い方をすると“実はここに穴がある”と言い出す人がいるので、“プライバシーは完璧に守られている”と言い切ってしまった方が普及すると思う」と指摘する。

 ライターの速水健朗氏は「やはりユーザーとしてはメリットがないと入れないので、アミューズメント要素があったり、インフォグラフィックがあったりするだけで楽しいし、メリットがあると思う。マイナンバーカードが普及していないのも、メリットがないと思われているからだ。もう一つは、クラブなど、アプリを入れていなければ入れないようにすれば、それが追跡にもなるので、一石二鳥の利用法だ。そういうことができるのであれば、少しは普及するのではないか」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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コロナ感染拡大の抑止になるか? 接触確認アプリCOCOAをスタジオで解説
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