将棋の最年少棋士・藤井聡太七段(17)が6月20日、竜王戦3組ランキング戦決勝で、師匠である杉本昌隆八段(51)に95手で勝利し、史上初となる4期連続優勝を達成、本戦出場を果たした。記録もさることながら、2度目となる師弟対決に、杉本八段はタイトル戦ばりに和服姿で登場。対局後の記者会見では「藤井七段に対する礼儀だなと思いました」と語り、ファンの感動を呼んだ。
午前10時から始まった対局は、藤井七段の先手で始まると、対局から11時間経過した午後9時になっても、本格的な戦いが始まらないゆったりとした展開に。それでも中盤、終盤と一気に進行すると、最年少でのタイトルにも挑戦中の藤井七段が、一気の攻めで快勝。新たな記録を樹立した。
相変わらずの記録ラッシュの藤井七段だが、この日の注目となったのが杉本八段の和服姿。規定はないものの、タイトル戦の番勝負に出場する棋士が和服で臨むことが多く、通常の対局でも、ここ一番という対局に気合を入れようという棋士もいる。2年3カ月ぶり2度目の師弟対決は、竜王戦3組ランキング戦という大きな舞台。杉本八段は「ランキング戦の決勝戦という大きな舞台で、相手が藤井七段ということもあり、気合の入る条件がたくさん揃う対局でした。ここで気合を入れなければ入れる場所がないので、自分の万全の状態で出ていくのが、藤井七段に対する礼儀だなと思いました」と、理由を明かした。
藤井七段も「大きな舞台で楽しみにしていました。前回(王将戦一次予選)は3時間だったんですが、今回は持ち時間が5時間だったので、1手1手じっくり指せたのかなと思います」と、師匠との時間を堪能したが、師匠・杉本八段の姿勢と言動にはファンも感動した様子。中継していたABEMAのコメント欄には「感動した!」「めっちゃいい話」「涙出た」など、弟子を思い、また勝負師としても礼を尽くす姿に、絶賛の声が相次いでいた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)