思うように対局ができなかった時期を経験したからこそ、改めて棋士の役目を再認識できた。6月28日から開幕する「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」に、前年準優勝の広瀬章人八段(33)は、強い思いを持って臨む。例年、公開対局ということもあり、他の棋戦以上にファンとの距離感が近い。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ファンにも思う存分、戦いを見せられなかった思いを、この棋戦にぶつける構えだ。