苦しい戦いに耐えて、耐えて、最後に報われたチームだ。レギュラーシーズン6位、セミファイナルシリーズ4位と、胃が痛くなるようなカットラインギリギリの競り合いを制してファイナルに進出したU-NEXT Piratesが、12戦の短期決戦で躍動、最終日も選手が涙する大逆転劇で初の頂点に立った。歓喜の瞬間から数時間後、優勝の味を噛み締めた4人に話を聞いた。
-緊張の中で優勝されました、改めて今の心境をお願いします。
小林剛(以下、小林)
本当にギリギリで…よかったなぁ~っていうのが印象ですね。
-放送中のコメントでも、小林さんがついに笑ったというところでかなり盛り上がっていました。
小林
(最後に)山崩しちゃったやつですか?山崩したのと、なんか泣きながら(チームメイトが)寄ってきたのが(笑)
-シーズン振り返ると、かなりギリギリのところで勝ち上がりでした。“船長”、リーダーとして、どういう感じでシーズンを過ごされましたか。
小林
そうですね、ポイントが半分になるという仕組みで、全チームわかってやってるんで、途中段階ではやっぱり勝ち上がりを重視して、ファイナルでは勝つ麻雀をするという。その意気でやってたんですけど、その結果が、ファイナルだけ4人ともプラスできてるっていう理想的な勝ち方で。ポイントとしては、ひょっとするとフェニックスの方が勝ってたかもしれませんけども、やることはやったな、という感じですね。
-朝倉さんは、レギュラーシーズン結構厳しい時期もありました。リーグ中断後、急に上り調子になった感があるんですが、ご自身でも調子が上がったような感覚はありましたか。
朝倉康心(以下、朝倉)
そうですね、ちょっとレギュラーシーズン、セミファイナルと、ずっと成績も内容も悪くて。自分でも不甲斐なさを感じてたんですけど、ちょうど自粛期間が長かったんで、その間に家でネット麻雀をして人よりも多く練習をしようと思って練習してて、それでちょっと自分の麻雀を取り戻したというか、自信がついて、いい感じでファイナルを迎えられた。結果、大三元をアガれたのはたまたまなんですけど。最終戦だけは、ちょっと納得いかなかったんですけど、それ以外は思うように打てました。
-優勝の瞬間は、瑞原さんよりも泣いてるんじゃないかというぐらいでした。麻雀でああいう風に泣かれたことってありますか。
朝倉
え~っと…そうですね、ありますね(笑)。完全に個人戦ですけど、最初の天鳳位になったときから泣いてました(笑)。それ以来ぐらいですかね。
-石橋さんは完全に尻上がりに調子を上げたというか、セミファイナルぐらいから急に変わったという感じがありましたが、ご自身ではどういう風に思われますか。
石橋伸洋(以下、石橋)
今シーズンから、打ち方を変えるというか意識を変えるようにはしてたんですけど、レギュラーシーズンはそれで結果が出なくて。セミファイナルも同じ打ち方をしてたつもりです。
-セミファイナルあたりから“俺たちのばっしー”とか“キング”とか、いろいろな愛称がつきましたが、そのあたりはいかがでしょうか。
石橋
親しみを込めてそういう名前をつけてもらえたのは、非常に嬉しいです。自分はあまり、キャラクターが薄いんで(笑)。まあ、だから“キング”とかついたのかもしれないですけど(笑)。まあ、そういう名前をつけてもらったのは本当に嬉しいです。
-瑞原さんは1年目からこういう大きな舞台でいろいろ活躍もされて、涙の優勝となりましたが、改めていかがですか。
瑞原明奈
本当に私は、3人にここまで連れてきてもらったっていう気持ちがすごく大きくて。特に、小林さんが“船長”っていう形があるくらいなので、やっぱり大事なところで、いつも小林さんに責任がのしかかるというか、いろんなものを背負っていつも戦ってくれてたなと思っています。すごい感謝の気持ちでいっぱいです。
-優勝の瞬間は泣き崩れるほどでしたが、どのあたりから泣いていたんですか。
瑞原
もうあの…、ちょくちょく我慢できずっていうのはあったんですよ。1戦目の石橋さんが帰ってきた時とかも、もうこんな感じだったんですけど(笑)。でも、2戦目のオーラスに、魚谷選手に(逆転の)条件を満たしたリーチが入っていて、本当にもう、ツモの度に「はあ…」って過呼吸になるぐらいになってて。最後のアガリ牌が他の人のところに行く時に、ほとんど優勝が決まった瞬間だったので、もうそこからなんかもう…意識がなかったくらいです(笑)。
-最後に来期、唯一連覇ができるチームということになりますが、リーダーの小林さんから連覇に向けて一言お願いします。
小林
かろうじて優勝できましたけども、これからはチャンピオンとして恥ずかしくない麻雀を打って、連覇に向けて精進していきたいと思います。









