百戦錬磨のベテランであっても、ここ一番で会心の役満をアガったとなれば、やはり叫びたいようだ。プロ麻雀リーグ「Mリーグ」セガサミーフェニックスの大黒柱・近藤誠一(最高位戦)が、2019シーズン最初の役満となる大三元をアガったシーンを振り返り、ファンの間でも話題になった「カッ!」という声の裏話を披露した。
7月5日深夜に放送された麻雀ニュース番組「熱闘!Mリーグ」に出演した近藤は、お笑いトリオのインスタントジョンソン・じゃいから取材される形で、“奇跡の手順”とまで言われた役満シーンを語り出した。
数々のタイトルを獲得してきた近藤であっても、開口一番「あれはさすがに、近藤誠一も生涯忘れない大三元」と言うほどの役満だったが、それにはいくつも理由があった。「ざっくり言うと終わっている配牌。あとはいかにその局を、捨て牌や雰囲気で制するかということに集中する」と、役満どころかテンパイにたどり着くことすら難しいと思われた配牌について、そこからできることを模索していたという。
アガれないにしても、まるで存在感がなくなってしまえば、他の3人にのびのび打たせることになってしまう。「そもそもあの局は、大三元を狙いに行っているわけではない。南が重なったぐらいだと、混一色・七対子が本戦。どっちかと言うと、この局は守備だと思っている。いない人になりたくないわけです」と、存在感を出しながら、無事のこの局をやり過ごせれば十分、といったスタンスだった。
ところが、ひどい配牌から一変して三元牌が次々と押し寄せ、あっという間に役満テンパイに。そして左手で發を力強く引き、2019シーズン最初の役満を出すことになった。ここで注目されたのが、近藤が発した「カッ!」という声だ。気迫の表れかと思われたが「仲良し4人で麻雀やっていたら、普通に会話したりするじゃないですか。だけど競技の世界、Mリーグでは余計なことはしゃべっちゃいけない」と、私語禁止であるMリーグについて説明。その上で「あれは私語です(笑)」と照れまくった。
さらには「しゃべりたいわけですよ。發を引いて、盲牌した時点でこっちは(アガリと)わかっている。来たー!お前らー!おらー!って言いたいのを我慢しなくちゃいけない。しゃべっちゃいけないから。我慢はしているけど、その中から最後に『カッ!』が出た」と、喜びと興奮を抑えに抑えた結果が、短い声となって出てしまったと大笑いしていた。
※最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会
(ABEMA/『熱闘!Mリーグ』より)