オールドトラフォードは、この日も雨だった。
雨の多いことで知られる英国中部の街、マンチェスター。試合当日の気温は8度で、朝から断続的に冷たい雨が降っていた。しかも3日前には、5月だというのに雪が降ったという。寒さをしのぐためのコートが手放せない中、レスター・シティにとって「運命の日」が訪れた。
対マンチェスター・ユナイテッド戦で勝ち点3を獲得すれば、創設132年目のレスターが「プレミアリーグ初制覇」を決める。この歴史的瞬間を見届けようと、地元から約3000人のサポーターがバスで駆けつけた。そんな彼らにタイ人実業家のオーナー、ヴィチャイ・スリヴァッダナプラバ氏が粋な計らいを見せる。クラブモットーである「フィアレス(恐れ知らず)」の文字が入った記念Tシャツをチケット保有者全員にプレゼント。バス内でも、お弁当が無料で振る舞われたという。