プロ将棋界初の早指し団体戦「第3回AbemaTVトーナメント」の決勝トーナメント3回戦、チーム渡辺VSチーム糸谷が7月18日に行われ、第7局でチーム渡辺のリーダー渡辺明二冠(36)がチーム糸谷・高見泰地七段(27)に勝利した。総大将の勝利で、チームは5勝2敗で準決勝進出を決めた。
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最後はしっかり締めた。第2局、第5局に出場したものの、まさかの個人連敗を喫していた渡辺二冠。これでは戦力になっていないと、第7局前には「強い人は温存」と自虐。2連勝していた近藤誠也七段(23)、石井健太郎六段(28)の前に、自らMAXの3局目に進んで出場することを決めていた。
それでもぐっと力を込めれば、そこはタイトル25期を誇る超一流棋士。相矢倉の将棋から、確実にリードを奪うと、第5局で敗れていた高見七段の玉が上部に逃げようとするところを阻止。危なげない戦いぶりで、チームの勝利を決める1勝を手にした。
対局後、渡辺二冠は「大変な将棋でした。また入玉されそうな局面だったので、気をつけました。他の2人が2勝0敗という素晴らしい成績で、自分としては2敗していたので、1つは勝ちたいと思っていました」と、最低限の仕事を果たしたという表情。作戦会議室では率先して盛り上げ役にもなった渡辺二冠。ムードも抜群に、チームは優勝賞金1000万円を目指して、準決勝に駒を進めた。
◆第3回AbemaTVトーナメント
持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで対局。全12チームが4つの予選リーグに分かれて戦い、各リーグ上位2位までが予選通過。決勝トーナメントは5本先取の9本勝負で行われ、勝ち越しが決定した時点で終了する。1チームは3人で、各棋士は1試合につき最低1局、最大3局の範囲で指す必要がある。対局者は各対局前に決定する。優勝賞金1000万円。
◆決勝トーナメント進出チーム
チーム渡辺、チーム永瀬、チーム康光、チーム三浦、チーム久保、チーム天彦、チーム広瀬、チーム糸谷
(ABEMA/将棋チャンネルより)