藤井聡太棋聖「棋士になってから一番忙しい」18歳の誕生日「タイトル以上のご褒美はない」
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 将棋の最年少棋士・藤井聡太棋聖が、7月19日に18歳の誕生日を迎えた。前日18日には、最年少でのタイトルホルダーとして初の公式戦「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」で、順位戦A級の実力者・菅井竜也八段(28)に快勝。自らの誕生日の前祝いとして、白星を手にした。コロナ禍による対局の延期によって、6月以降はハードな日程で対局を繰り返し、その中でタイトルを獲得。対局以外の用事も増え「棋士になってから一番忙しい」中で迎える誕生日となったが、最高のご褒美であるタイトルを手に、さらになる飛躍を目指す1年が始まる。

▶動画:藤井聡太棋聖、タイトル獲得後初勝利!

 約2カ月の間、公式戦を離れてから、6月からは一転して対局ラッシュ。この1カ月半ほどで、実に17局。2日制の対局も2つあり、3日に1局以上のペースで戦い続けている。17局中、タイトルホルダー・順位戦A級棋士と12局という“強豪ロード”を15勝2敗という高勝率で駆け抜け、17歳を締めくくった。3年前には史上最多29連勝を契機に“藤井フィーバー”を巻き起こしたが、本人によれば「棋士になってからは一番忙しいです」と、当時よりも現在の方が多忙だという。「合間にしっかり休めていると思います」と、常々口にする体調管理を徹底し、取材に対して笑顔を絶やさないところは、精神面・肉体面でのタフさも感じさせるところだ。

 タイトル保持者、タイトル挑戦者となると、それに関わる動きも増えてくる。たとえば移動。通常の公式戦であれば東京、大阪の2択だが、タイトル戦は各地を転戦する。前日には立ち会いが必要な「検分」もあり、会見や前夜祭などもある。他の棋戦でも勝ち進むほどに対局が増えるのは、将棋界における強者の常。誕生日のプレゼントで欲しいものを聞かれても「タイトルが獲得できたというそのこと自体が、自分にとって非常にうれしいことでしたので、それ以上のご褒美はないのかなと思います」と答えるあたりが、このスケジュールをこなせる原動力になっているのだろう。

 17歳の1年間は、はっきりと自覚するほど力をつけた。昨年の7・8月は、通算34敗(186勝)しかしていない藤井七段にとっては珍しく、負けが続いた時期。収録していた放送対局も合わせ、この2カ月で5敗(6勝)を数えた。タイトルホルダー・経験者といった実力者に揉まれ、一時は手が見えないと悩む時期もあったが「いろいろいい経験ができたかなと思います。それによって成長できたかなと感じています」と、苦しみの中でも少しずつ、タイトルへの距離を縮めることに成功していた。

 18日の対局で勝利した菅井八段とは、これで5勝2敗2千日手だが、初対局から2局連続して敗れ、苦手にしているとも言われていた。ただ、その後の成長とともに、これで5連勝。順位戦A級に昇級したばかりの実力者をも寄せ付けないところにも、棋力の充実ぶりが伺い知れる。

 今後の目標を聞かれると「まだまだ課題は多いのかなと思います。自分の将棋の課題もしっかり見つめて、それを改善するようにしたいです」と語った藤井棋聖。挑戦中の王位戦七番勝負、決勝トーナメントに出る竜王戦、挑戦者決定リーグに参加する王将戦と、近いところでもタイトル獲得・挑戦の可能性がある。棋士としてさらに忙しく、それでも充実する日々は、これから先もまだまだたくさん待っている。

ABEMA/将棋チャンネルより)

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