プロレスリング・ノアが有観客興行を再開した7月18日の後楽園ホール大会で、“珍事”ともいうべきアクシデントが発生した。
第2試合の6人タッグマッチでのこと。吉岡世起が放ったケブラーダは、ヒットしたものの飛距離が出すぎてしまった。吉岡の体は場外フェンスを飛び越え、足が放送席を直撃。そこにいたのはゲスト解説の山田邦子だった。
「何すんねん!」とキレる邦子に、吉岡は思わず手を合わせて平謝り。試合後、吉岡にこの“事件”について聞いてみた。
「いや~、テンション上がりすぎましたね(苦笑)。久々にお客さんの前での試合だったので。やっぱりお客さんがいてリアクションをしてもらうと力が入る。無観客試合とは全然違います」
直撃したのがお笑いタレントであり、プライベートでも足しげく観戦に通う邦子なのは幸いだった。見事なリアクションで、単なる“事故”にさせなかったのだ。とはいえ吉岡はかなり焦ったそうだ。
「(放送席に)ガシャンといった瞬間に“あ、やっちまった!”と。その瞬間に邦子さんの“吉岡この野郎!”って声が聞こえてきてメチャクチャ焦りましたね(苦笑)。“すいません邦子さん”って。冷や汗が止まらなくなりましたよ」
吉岡はこの春、所属していたWRESTLE-1の活動休止を受けてノアに参戦。WRESTKLE-1は場外フェンスがないため、飛距離が出てしまうのも致し方ないところか。吉岡にとっては、無観客試合参戦を経て、この試合がノアファンの前での初めての試合。そこでこのアクシデント。とにかくファンの記憶に残ったことだけは間違いない。
「こうなったら、いっそのこと毎回フェンスを超えるくらい飛んでやろうかと(笑)。いい意味でも悪い意味でもインパクトは残せたかもしれないですよね」
試合には敗れたものの、所属ユニット「フルスロットル」のリーダー決定巴戦という新たな闘いを迎えることにもなった。ここでまたノアファンに爪痕を残せるか。開き直った吉岡に期待したい。
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