平成以降3人目となる16歳の幕下力士、吉井が武玄大を一方的に寄り切って幕下デビュー戦を白星で飾った。静岡県焼津市出身の吉井は2018年度(平成30年度)の全中大会個人戦を制して中学横綱に輝き、中学卒業と同時に中川部屋(現在は閉鎖)から初土俵を踏んだ。先の春場所は三段目十九枚目で5勝2敗の成績で入門から負け越しなしの所要7場所で幕下昇進を決め、今場所は幕下五十四枚目の若きホープだ。
16歳8カ月26日での幕下昇進は貴花田(貴乃花)の16歳8カ月12日にわずかに及ばず平成以降2位の年少記録。3位が萩原(稀勢の里)の16歳11カ月となっている。貴花田も萩原ものちに横綱に上り詰めただけに吉井には否が応にも注目が集まる。
高校進学せずに入門するのが当たり前だった昭和の時代、16歳の幕下力士は今ほど珍しくはなかったが今のご時世、関取衆に目を向けると中卒たたき上げはめっきり少数派となってしまった。中学横綱が直接プロ入りするのは4人目だが、中学時代にビッグタイトルを獲得すれば当然、全国の強豪高校から引く手あまたの誘いが来る。それらを振り切って角界に飛び込んだ吉井の存在は今や貴重なのである。
ちなみに全中大会決勝戦で吉井に敗れ、惜しくも2位となった大辻も中学卒業と同時に高田川部屋に入門した。ケガで出遅れたが復帰後は順調に番付を上げ、今場所は三段目五十枚目で白星発進。ライバルの背中を追いかける。
貴花田は16歳9カ月という史上最年少で幕下優勝を果たした。16歳での幕下優勝は貴花田が戦後唯一だが、8月に17歳の誕生日を迎える吉井にとって快挙を達成するには今場所がラストチャンス。まだ各段優勝には縁がないが将来の大器であることは間違いない。
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