新型コロナウイルスの新規感染者“ゼロ”が続いていたニュージーランドで11日、およそ100日ぶりに感染者が確認された。

 感染が確認されたのはニュージーランドのオークランドに住む50代の男性とその家族のあわせて4人。いずれも海外への渡航歴はなく、感染経路は分かっていない。

ニュージーランドには“自粛警察”がいない?「警察の仕事は警察が」 嫌がらせが起きない理由
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 5月2日以降、102日間、国内での感染が確認されていなかったニュージーランド。およそ100日ぶりの国内の感染を受けて、政府は14日までの3日間、オークランドのバーやレストランの店内営業を禁止するなど、規制レベルを再び引き上げた。アーダーン首相は12日に会見を開き、オークランドでの外出時のマスク着用を呼びかけた。

【映像】収束したように見えたが…ニュージーランド、新型コロナ感染者数の推移図(1分ごろ~)

 ニュース番組「ABEMAヒルズ」では、ニュージーランドの最大都市であるオークランド在住の楠田美嬉子さんを取材。夜の9時頃に、約100日ぶりの新型コロナウイルス新規感染者を知らせる速報が流れたという。

「夜の9時くらいに報道が速報で流れた。日本の緊急地震速報のような形で、個人の携帯にテキストで連絡が来た。みんなショックが大きかったと思います。私はちょうどダンスのレッスンを受けていた時間で、教室が終わると、泣いている人がいた」

 14日までの3日間、オークランドのバーやレストランの店内営業を禁止したニュージーランド政府。楠田さんによると「お昼の12時に閉まった。お店自体は休み、カフェはお店には入れないですが店頭販売はやっている」という。

 現地のジムでパーソナルトレーナーとして活動する楠田さん。自身の仕事に影響はないのか。

「ジムはニュースが入って2~3時間後には『明日から3日間締めます』という連絡が来た。ジムでできないから今はオンラインに切り替えてレッスンをやっています」

■「警察の役割だから」“自粛警察”がいないニュージーランドから学ぶこと


 直近では、観客を入れたラグビーの試合などが行われていたニュージーランド。不安などはなかったか聞くと、楠田さんは「市中感染がなかったので、ラグビーの試合観戦ができるのは『コロナが終わった』っていう象徴のように感じて、喜びの方が大きかった」とコメント。チケットは今週末分も完売しているといい、「どうなってしまうんだろう」と戸惑いの表情を浮かべる。

ニュージーランドには“自粛警察”がいない?「警察の仕事は警察が」 嫌がらせが起きない理由
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 一度はニュージーランド国内で封じ込めに成功した新型コロナウイルス。楠田さんによると、最初に感染拡大が広まった際は「国全体に一体感が生まれていた」といい、「また今回同じことができるかどうか」と不安を明かす。

 日本では、墓参りのために東京から青森市内に新幹線で帰省した男性の実家の玄関に「さっさと帰って下さい」と書いた紙が投げ込まれたり、店舗に「休業しろ」と書いた紙を貼ったりする“自粛警察”が後を絶たない。この話を聞いた楠田さんは「ニュージーランドはあまり“自粛警察”がいない」と話す。

「自粛しない人に厳しく当たって、嫌がらせが起きることはない。『ちゃんと後先を考えて行動しよう』って呼びかける人はいても、自粛警察をするような人はいない。『それは警察の役割だから警察がやるもの』と考える人が多い」

「今日の報道で政府からも『コロナにかかることは恥じゃない』という話がありました。みんな協力して、新型コロナウイルスを乗り越えようと、国も頑張っている」

 前向きなニュージーランド政府に、日本も学ぶべきものがあるのかもしれない。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

【映像】NZ約100日ぶりの感染者 現地の今
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