尿の色も熱中症対策のポイントに? コロナ対策でマスク着用が当たり前になった社会で気をつけるべきこととは
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 全国各地で猛暑日が続く中、コロナ対策と同時に熱中症対策の両立を迫られている。マスクは常に装着していなくてはいけないのか。冷房と換気の割合は。13日の『ABEMA Prime』では、そんな素朴な疑問について、感染症に詳しい愛知医科大学病院の後藤礼司医師に聞いてみた。

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Q.熱中症と新型コロナウイルス感染症の症状は似ているという話もある。

A.熱中症の症状には「めまい・手足のしびれ・頭痛・吐き気・倦怠感・意識消失・けいれん・体が熱い」といったものがあるが、これらは新型コロナウイルス感染症かとも共通しているので、見分けるのは困難だ。頭痛や全身倦怠感は体調が悪い時に出てくるものなので、基本的には全ての症例について“コロナかもしれない”と疑わないといけない状況だ。医療機関としては発熱がある場合、コロナのチェックをせずに入院をさせることは難しいし、最終的には検査に回っているのが現場の状況だ。医療関係者の負担は大きい。

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Q.総務省消防庁の統計によれば、今月3日~9日の搬送者のうち、高齢者(満65歳以上)が約6割を占めている。コロナでは高齢者が重篤化しやすいとされているが、熱中症では。

A.同様だ。これがいわゆる“老化”が、高齢の方ほど、口の渇きなど身体の中から水分なくなっていく状況を感じにくくなっている。汗をかきすぎて発熱している脱水症を合併している場合、腎臓などの臓器がやられてしまうなど重症化しやすく、入院が必要になってくる。

そうした重症化を抑制する意味からも、水分補給が重要だ。冬場にインフルエンザが流行する時期にも“お茶を飲んでくださいね”とよく言われると思う。これは緑茶の成分の作用もあると言われているが、それ以上に喉の粘膜を潤わせておくということが感染防御の点で必要なことだ。

Q.換気と冷房の関係については。

A.冷房をつけながら窓を開けておく必要があるかというと、答えはノーだ。暖房をつけている場合と同様、1時間に10分程度の換気をしたほうがいいとされている。また、換気だけが全てではない。感染の可能性がある人が家にいるときなどは重点的にやるべきだが、寝ている間などは難しい。そういう場合は距離を取って寝る。部屋を変えるといった形でも対策はできる。

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Q.マスクの着用はどう考えればいいのか。

A.マスクをつけていても飛沫は70%しかカットできないと言われているので、“顎マスク”にしていたり、鼻が出ていたりすると、効果はさらに低下してしまう。また、基本的にはマスクの表面が一番汚れるところなので、紐の部分だけを触って外すなど、表面に触れる回数を極力減らさなくてはいけない。

一方で、マスクをしていると水分摂取の回数が減ってしまうというデータが出ている。また、口の渇きを自覚しにくくなってしまう面もある。今は人の目を気にして、マスクをするのが当たり前にようになってしまっているが、例えば1人で散歩をしている時や、言葉を発しないような状況の場合、マスクは外してもいい。そういうメリハリが必要だと思う。

Q.布マスクやフェイスガードはどうか。

A.いまのところ飛沫をブロックする作用が最も強いのは“不織布マスク”といって、僕が病院で付けているものだ。そもそもマスクをするのは飛沫を飛ばして人にうつさないため。不織布マスクを探してつけるのもいいと思うが、無症状の人までつける必要があるかといえば、それは疑問だ。医療関係者ではない人、くしゃみや咳のないような人は布マスクでも十分だと思う。

そして、フェイスガードについても、その原理を知らなくてはいけない。フェイスガードは人に飛沫を飛ばさないためのものではなく、自分の目の粘膜などを飛沫から守るためにあるものだ。僕らが鼻に綿棒を入れて検体採取をしたりする時にフェイスガードやゴーグルが必要なのはそのためだ。つまり、人から守るためにはフェイスガード、人を守るためにはマスクだ。フェイスガードをしていたとしても、マスクをしていなければ飛沫が脇から漏れて飛ぶことになる。逆に言えば、飛沫を至近距離で受ける場面というのはそんなに多いですか?ということだ。僕ら医療関係者でも、基本的にはメガネをしていれば大丈夫と言われているくらいなので、店舗や学校でのフェイスガードは不適切な利用をしていることが多く、はっきり言えば不要な場面でアピールのために使われているケースも山ほどあると思う。

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こうした後藤医師の解説を受け、高齢者施設で働いた経験のあるEXITのりんたろー。は「一人でトイレに行けないお年寄りの方は、誰かの手を借りるのが気まずいからと水を摂るのを控えてしまう。だから老人ホームでは時間や水分摂取量を見るなど、気を遣うようにしていた」とコメント。また、兼近大樹が「マスクをつけている時間が長いと、小便の色がデカビタ(C)のような色になるが…」と話すと、後藤医師は「実はいいご指摘だ。おしっこの色が濃くなるというのは、脱水症のスタートだ。この時期は尿の色にも気を配り、濃くならないようにというのもポイントになると話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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