21日に開催された全英オープン2日目、シブコこと渋野日向子は7オーバー。トータル12オーバー105位、予選落ちという結果に終わった。そんな中でも、2日目4番ホールでは、バーディー後にカメラを探してから笑顔を見せてくれる和やかな場面も見られた。ただ、ツアー全体を通じてスマイルもガッツポーズも数回しか見られず、重苦しい空気が漂う。全英オープン二連覇が期待されていただけに、ファンの落胆は大きい。
2日目終了後のインタビューでは、「言葉にできないくらい悔しい」と無念そうに笑った。大会を通じて渋野日向子を苦しめたのは、天気だった。1日目は台風のような強風。2日目は風に雨も加わって、コンディションは最悪に近い。しかし、本人は風の問題ではないという。2日目の後半は、ティーショットもいいのにグリーンにも乗せられなくてパニックだったと語った。耐えながらのプレイではあったが、1個崩れると立て直せず、アイアンショットはまったくだめで、風のせいにはできなかったという。
ただ、得られるものがなかったわけではない。前大会の予選落ちからこの2週間は、外す機会が多くアプローチが多かった。そんな中で、渋野は、「どのクラブで打てばカップに近づけるかを考えながらやっていた」という。本大会でも外からパターで寄せるシーンや、難しい距離のバンカーで寄せるシーンもみられた。渋野のプレイに新しいバリエーションが生まれつつあるといえる。
渋野の夢であるグランドスラム達成について尋ねられると、もっと努力が必要だと答えた。これから、1か月半ほどはアメリカでのツアーに臨み、10月末に日本に戻る。不調続きでのアメリカ転戦は、選手として苦しいところではあるが、本人の目に迷いはない。まっすぐと前を向き、成長してから日本に帰りたいと語った。
今シーズンは試合数が少なく、成績も振るわないが、各試合で成長への糸口を探る渋野の顔に再びシンデレラスマイルが浮かぶ日は近い。