将棋の竜王戦七番勝負第2局が8月25日に行われ、羽生善治九段(49)が丸山忠久九段(49)に勝利、シリーズ成績を1勝1敗のタイに戻した。羽生九段は最終局となる第3局に勝利すれば、2018年度の竜王戦以来2年ぶりに「タイトル100期」へとつながる挑戦権を得る。第3局は9月19日。
将棋界のレジェンドが、誰もが到達できないような大記録に一歩前進した。第1局を落とし、負ければ終了の三番勝負第2局。後手番の羽生九段は、先手の丸山九段が得意とする角換わりを受けて立つと、お互いがっちり囲いあった重厚な中盤を経由。終盤に向けて丸山九段の攻めに対して確実な対応を見せると、一気に反撃を開始。優勢ながら一手間違えれば逆転される危険もある難解な終盤だったが、一直線の寄せを見せて華麗に勝ち切った。
対局後には「ちょっと序盤は失敗してしまったような、模様が悪いと思いながら指していました。終盤は結構ギリギリじゃないかと思ってやっていました。あまり読みきれなかったですね。際どいと思って指していました」と振り返ると、第3局には「ちょっと間隔が空くので、調整して次の対局に臨みたいと思います」と短く答えた。
羽生九段は2018年度の竜王戦七番勝負で、広瀬章人八段(33)を相手に3勝3敗からあと1勝すればタイトル100期を達成するところだったが惜敗し、大記録達成目前から、一転して27年ぶりの無冠となっていた。七冠独占、永世七冠、通算最多勝など、将棋界にある大記録のほとんどを持つと言われるが、このタイトル100期はあと一歩まで迫っただけに、ファンも達成を望む大記録になっている。
羽生九段が無冠になってから渡辺明名人(棋王、王将、36)、豊島将之竜王(30)、永瀬拓矢二冠(27)、藤井聡太二冠(18)と30代、20代、10代の実力者が台頭。40代以上のタイトルホルダーがいなくなっていたが、将棋界の最高峰タイトルという晴れ舞台に戻ってくる大チャンスを、レジェンドが自ら手繰り寄せた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)