放送中のTVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』(SAO アリシゼーション WoU)最終章に、視聴者から反響が相次いで寄せられている。
【映像】第22話で“真正人工汎用知能”として公表されるアリス(CV:茅野愛衣) ※3分ごろ~
シリーズ最長のボリュームを誇り、全4クールに分けて描かれた《アリシゼーション》編がついに最終章を迎える本作。仮想世界《アンダーワールド》で繰り広げられる《人界》軍の整合騎士たちと《闇の軍勢》との戦争が描かれ、現実世界を巻き込んだ壮大な物語が展開されている。
【これまでの記事】
・第1弾:声優・松岡禎丞が「SAO アリシゼーション WoU」プロデューサー陣と対談! 「勝てそうで勝てない」キリトの魅力
・第2弾:なぜキリトはモテる? 戦闘シーンの剣戟にも注目! 声優・松岡禎丞×丹羽P×金子P「SAO アリシゼーション WoU」特別対談
・第3弾:声優・松岡禎丞、アスナと再会したキリトに「泣いても良いだろうと思って…」 アニメ「SAO アリシゼーション WoU」アフレコ裏話
2012年のTVアニメ第1期より8年にわたって主人公キリトを演じてきた声優・松岡禎丞は「松岡さんにとってキリトとはどういう存在なのか」という質問に、「僕の中では親友的な立ち位置で一緒にやってきたという気持ちが強い」と胸の内を語る。
松岡禎丞(以下、松岡):キリトは『ソードアート・オンライン』(以下、『SAO』)の世界の中で生きているキャラクターではありますが、僕の中では親友的な立ち位置で一緒にやってきたな、という気持ちが強いです。僕が持っている(演技の)持ち幅をどんどん広げていただけた作品でもあります。キリトは僕にとってなくてならない位置づけなんです。
―― 長年キリトを演じているからこそ、松岡さん自身に影響を与えたことは?
松岡:キリトの一生懸命さは僕自身も本当に見習っていきたいです。1人の人間として尊敬しています。だって僕だったら(浮遊城アインクラッドの)第一層から抜け出せないですし、攻略なんてできないです。むしろ第一層で暮らしたい(笑)。「SAO」で(開発者の)茅場晶彦が登場して、瞬時にキリトが頭を転換して「これは絶対ゲームじゃない」という判断の早さとか、僕だったら「これどういうこと!?どういうこと!?わかりませーん!」みたいな感じになってしまう(笑)。もともとゲームが好きだったからというのもあると思いますが、キリトはものすごく機転が利く。
あと、僕とキリトはナイーブさが似ているんですよ。僕も最初の頃は女性と全然しゃべれなくて(笑)。でも、演技の方向性に関してはキリトと一緒で「絶対にブレちゃいけないな」という思いでやっていました。けれどやっぱり勢いや、頭の(回転の)早さはキリトみたいになりたいなと思っています。
■声優・松岡禎丞「僕の全力だった」14歳のキリトを振り返って
―― 松岡さんもキリトと一緒に成長している。
松岡:そうですね。言ってみたらVRMMOのようなRPG的な世界観では、他の現場で得た演技方法も活かせましたし、もっと言えばそれらの知識を集約して存分に役立てることができた。違う場所で1つ1つ得たものを「SAO」のキリトに乗せられるという喜びと一緒に僕も成長できたなと思います。
14歳のキリトと今の精神年齢的には19歳のキリトって実は全然違うんです。あのとき、全力でやっていたからというのもあるけど、キリトって未成年にしては育ってきた環境がすごすぎる。本気で命をかけてゲームをやってきた。
だからキリトという1人の人間を捉えていく意味では、ギリギリ14歳だったら「まだ声変わりしていなかったのかな?」という解釈もあるんです。でも、キリト自身が気づかないうちにっていう部分があって。キリトの本質に同化していくと、意識的ではなかったし、本当に結果的として(今の演じ方で)落ち着いたんです。これは僕の中ではあまり経験したことのない感覚でした。
あえて言っておきますが、僕は(演技を)やりやすいように声を低くしていったわけではないんです。ちゃんとキリト自身が成熟していった。だから今、14歳のキリトを演じられるかと言ったら、僕は絶対できない。大事なことなので口を酸っぱくして言いますが、絶対できない。それはあのときの僕の全力だったから。今、あのときの僕の全力をやろうとしたら、キリトを演じる松岡禎丞を演じなきゃいけないんですよ。難しいですよね、お芝居って。
―― 《アリシゼーション》編とそれ以前のシリーズでは内容がだいぶ違ってきます。《アリシゼーション》編を経てキリトに対する思いやイメージで変化した部分はありますか?
松岡:やっぱり普通に考えたら、この年齢の子が体験する人生ではないんですよ。あまりにも壮絶すぎる。《アインクラッド》編のときからデスゲームみたいな。ゲームじゃなくてであってゲームじゃない。ゲームの中で死んだら本当に自分の肉体も死んでしまう。14歳から19歳の彼を演じた身として考えても「本当にキリトは変わったな」と思います。でも、キリトが1人で変わっていったことでは絶対にないんですよ。やっぱり周りの仲間はもちろん、アスナの存在が1番大きい。誰よりもキリトが守りたい人間であり、愛している人間でもある。だから、キリトというヒーローは一人でいいんですよね。言ってしまえばアスナのヒーローでいい。
あと、キリトは底抜けにお人好しですよね。僕だったら正直できないです。でもキリトは困難を乗り越えてやれるんです。キリトは本当に1人1人を大切にできる。改めて考えたらキリトって本当にすごいと思います。
(C)2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
この記事の画像一覧