9月4日の『RISE142』後楽園ホール大会で“主役”となったのは、大崎一貴と孔稀の兄弟ファイターだった。
弟の孔稀はセミファイナル前の第6試合に登場。奥脇一哉を相手に序盤から主導権を握り、ハイキックで鮮やかにKOしてみせた。試合後、孔稀は観客にメインイベントをアピール。
「一番いい形で勝つことができました。この後お兄ちゃんがメインでタイトルマッチをします。絶対お兄ちゃんが勝つので応援よろしくお願いします!」
弟の完璧な勝利に「気合いが入った」という兄・一貴が挑んだのはスーパーフライ級のタイトル。チャンピオンは圧倒的なセンスを誇る18歳の田丸辰だ。
最終目標は打倒・那須川天心だという次世代エース候補は高いディフェンススキルを持つ。だが大崎は「前に出る」、「よけられても次の攻撃につなげる」という作戦を貫き、それが功を奏した。
2ラウンド、カウンターを狙ってか下がる場面が多い田丸をロープ際に詰めると、一貴はパンチの連打。左フックがヒットしてダウンを奪ってみせる。
一気に優位に立った一貴は、そこからも攻めの姿勢を崩さなかった。田丸も攻撃のテンポを上げるが、一貴のインロー、ミドルが効果的にヒットする。タイトルマッチは5ラウンドの長丁場だけにポイントで追いつかれる危険性があった。ダウンを奪ったところで守りに入らなかったのも一貴の強さだ。また一貴は田丸から“一発逆転”の怖さは感じなかったという。だからこそ冷静に試合を進められたという面もあるだろう。ここは田丸にとっての大きな課題だ。一貴は最後までペースを譲らず、判定勝利でベルトを巻いた。
「弟がつないでくれたので、辛いところでも踏ん張ることができました」
兄弟揃っての勝利、兄弟で掴んだベルトだった。ちなみに兄弟対決の可能性について聞かれると「やってる以上はベルトがほしいですから。狙うしかないですね。やりたいかやりたくないかで言ったらやりたくないですけど」と孔稀。兄弟ともにスーパーフライ級。田丸の巻き返しも含め、この階級はさらに面白くなっていきそうだ。
文/橋本宗洋
写真/RISE
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