松井珠理奈、緊張感MAXの会見で「イマナリロールが見たい」コアファンに響いた“格闘技愛”
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 『Road to ONE 3rd TOKYO FIGHT NIGHT』(9月10日)に向けた記者会見が8日に行なわれた。大会2日前となると、ピリピリしている選手も多い。対戦相手と向かい合って乱闘騒ぎになる者もいた。

 そんな雰囲気の中でゲストとして登壇したのが、SKE48松井珠理奈だ。珠理奈は大会中継のゲストとしても出演が決まっている。これまでもたびたびONEやプロレスリング・ノアの実況に加わってきた。

 アイドルがスポーツ中継のゲスト。一般的なイメージとしては“話題作り”“本来のファンには邪魔”といったものだろう。ただ珠理奈はドラマでプロレスラーを演じたことからプロレスにハマり、プライベートでも観戦するようになった。リアルな“ファン目線”の持ち主なのだ。格闘技にものめりこみ、そこにもともとのプロ意識も合わさってONE中継では珠理奈ならではのトークを展開している。

「アイドルとして、私たちのパフォーマンスで勇気を持ってほしい、“明日、仕事や学校頑張ろう”という気持ちになってほしいと思ってやっています。私はプロレス・格闘技でそれをいただきました。選手のみなさんが恐怖もある中で闘っている姿を見て、自分も闘おうという気持ちになりますね」

 会見でそう語った珠理奈。彼女がアイドルの世界でくぐってきた“修羅場”も相当なものだろう。同じ“闘う者”としてファイターに共鳴し、だからファンとしても熱くなる。

 ファンとして「いろいろ調べたほうが楽しい」という珠理奈は、9.10『Road to ONE』参戦選手についてもリサーチ。注目の試合として猿田洋祐vs内藤のび太を挙げ、修斗時代からのストーリーに触れた。また手塚裕之の決め台詞「筋肉と米は裏切らない!」を本人に“ネタ振り”する場面も。

 とはいえ試合直前の選手たちに囲まれ、珠理奈自身も緊張したそうだ。会見後の囲み取材ではこう語っている。

「凄い緊張しました。ステージに上がる前、裏の様子から見ていたんですけど選手のみなさんの緊張が伝わってきて。試合の2日前に闘う相手と顔を合わせるというのは凄い状況だなと。自分だったら嫌だなって(笑)。

 ファンの方のコメントも見てたんですけど、凄い緊張してるって書かれてました。いつも見てるファンの方からしてもそうなんだなって。声のトーンも低かったですね(笑)。もっと元気にやりたかったんですけど空気に呑まれました。

 特に青木さんが凄いピリピリしてるなと思いましたね。いろいろ話を聞きたかったんですけどビビっちゃって(笑)。青木さんとは青木さんが解説、私がゲストで中継に出させていただいたり、シンガポールからの中継でも一緒で、その時は気さくに話してくださったんですけど、今回は試合前。いよいよ始まるんだなっていう感じがしました」

 会見中、珠理奈が選手に質問する中で、青木に「今回はどんな青木真也を見せたいですか」と聞いた場面があった。青木はこう答えている。

「遊びじゃないからさ。これで飯食って15年。お前ら俺になんか言葉発せられるやついるのかって。勘違いすんなよって」

【映像】青木真也、松井珠理奈に「遊びじゃないからさ」の全容

 これがそのまま報じられ、青木が珠理奈に「遊びじゃないからさ」と言ったという見出しになれば“ノコノコ出てきたアイドルに格闘家が苦言”といったイメージを持たれてしまうかもしれない。だが実際には青木は前回の会見からピリピリしていたし、珠理奈だけでなく誰に対しても同じ態度。会見、囲み取材全体を通して、質問の意図を逸脱してまで自分の思いを語ることが多かった。

 珠理奈に対する「遊びじゃないからさ」から始まる言葉も同じこと。青木は常日頃から思っていることを珠理奈の質問がきっかけで発したのであり、珠理奈の質問が的外れというわけではない(実は似たような言葉を、青木は囲み取材でも語っている)。

 松井珠理奈というアイドルはプロレス・格闘技を心から楽しみ、だからこそ真剣に向き合い、プロとして仕事をしている。その上で“ファン目線”を大事にし、マニアックな世界への窓口になろうとしている。

「私が中継でやっているのは解説っていう気持ちではなくて。凄くコアなことが分かるわけじゃないし技の名前が全部分かるわけじゃないし。見てる方たちに“分かってないじゃん”と思われるかもしれないんですけど、どちらかというと同世代の方や女性の方、あまり格闘技を見たことがないという方にも魅力を知ってほしいなっていう気持ち、そういう立ち位置でやっています。至らないところはありますけど、試合を楽しむためにいろいろ勉強もしているので、みなさんに魅力を伝えられたらと思います」

 囲み取材での彼女のコメントである。同時にこんなことも。

「初めて見る方には寝技より打撃のほうが分かりやすいかなと思います。私はムエタイを見るのが好きですね。打撃が当たった時の音とか、“足効いてるな”とか分かりやすいので。そういうところから楽しんでほしいです。あとは選手ごとに得意技があるので、調べておくと“出た!”ってなる。今回の大会では今成選手のイマナリロール(足関節技)が見たいなって」

 松井珠理奈の口から「イマナリロール」というワードが出るとは。格闘技の熱心なファンであればあるほど、彼女には“信頼できる感”しかないはずである。

文/橋本宗洋

【映像】青木真也、松井珠理奈に「遊びじゃないからさ」の全容
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