自民党の菅義偉新総裁が16日午後、衆参両院の本会議で行われた首班指名選挙で第99代内閣総理大臣に選出された。
ついに発足する新内閣だが、そんな中、ネットでは日本とフィンランドを比較した“ある写真”が物議を醸している。
【映像】物議を醸している日本とフィンランドの写真 ※8分30秒ごろ~
左側の日本の写真を見てみると、菅総裁(71)を中心に、左から山口選対委員長(71)、佐藤総務会長(68)、二階幹事長(81)、下村政調会長(66)が並び、平均年齢は71.4歳。女性は写っておらず、年齢は60代~70代が中心だ。
一方、連立5与党のうち3党の党首が30代女性で、閣僚19人中女性が12人のフィンランド。写真にはマリン首相(34)のほか、アンデション教育相(32)、クルムニ副首相兼財務相(32)、オヒサロ内務相(34)の女性4人が並んでいて、前述の日本の写真と比較すると大きく違う。
この写真の比較にニュース番組「ABEMAヒルズ」のコメンテーターで慶応大学特任准教授などを務めるプロデューサーの若新雄純氏は、人口規模の違いを指摘した上で、フィンランドにおける女性活躍について評価した。
「フィンランドは同じ先進国でも人口はおよそ500万人で、日本の大都市圏1つ分の規模。日本も大都市圏で見ると、30代の知事・市長は出てきている。それ以上に(フィンランドの)女性の活躍は、かなり進んでいると思う。日本の場合は、国の規模が大きく歴史も長いので、体制が非常にややこしい。結果、各界の事情通や調整がうまい人が求められ、キャリアが長いベテランの人がトップにつきやすい」
フィンランドのように、日本でも女性が政治家として活躍しやすくするためにはどうしたらいいのだろうか。
「なんでも若ければいいというものではなく、ベテランが求められる分野もあると思う。問題は、男女に関係なくベテランを目指せる社会であるかどうか。女性も男性と同じように長くキャリアを積めないといけない。今のシステムでは、男性と同じようにある分野におけるベテランという立場の仕事を続けづらい。女性は子育てだったり日本のこれまでの家族観によって仕事が分断されたり、政治家としてのキャリアが積みづらい。小さい子どもがいて今の日本の選挙活動をするのは大変。女性のセンスや感性、仕事力を認め、男女をお互いに生かしあっていくためには、男性と同じようにキャリアを積んでベテランを排出しやすい状態にしないと難しいのではないか。旧来の男性型のベテランをつくる社会の仕組みが、家を守ってくれる・裏で支えてくれるという妻の存在を前提にしているところもあったと思うので、そういうものを見直さないといけないときがきたのかもしれない」
今年、列国議会同盟(IPU)が発表した内容によると、日本の国会議員(衆院議員)の女性割合はわずか9.9%で、2020年8月時点で世界193カ国中166位。世界の平均は24.9%だった。日本で政治家として活躍できる女性を増やすには、まだまだ議論が必要だと言える。
(ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)
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