新内閣の発足から一夜明け、菅政権が本格始動した。菅総理はきょう朝、「まさに身の引き締まる思い。『国民のために働く内閣』をスタートさせて、しっかり成果をあげて国民の期待にお応えしたい」とコメント。加藤官房長官は「政府全体として、菅総理が掲げている改革を一つひとつ実施していきたい。まさに国民の皆さんの目線に立った、思いに応えていていける政策を具体的に出していくことが、この内閣の使命だと思う」と意気込みを語った。
一方で、野党からは「安倍晋三さんがいない安倍内閣」(共産党・小池書紀局長)との表現も。ノンフィクションライターの石戸諭氏は「シン・安倍内閣」だとして、次のように話す。
「良く言えば手堅く隙がない、悪く言えば代わり映えしない。基本的には安倍内閣の延長線上にあって、居抜きという表現が適切。菅さん自身が安倍内閣の継承を強く打ち出して選ばれたので当然だが、安倍内閣のいいところも悪いところも全て引き継いでいくことになった」
また、菅総理が掲げるそれぞれの政策については、次のように評価した。
・経済活動とコロナ対策の両立…50/100点
→以前からの課題だが、一体どういう対策をするのか。保健所もリンクを追うのに精一杯で都市部を中心に現場は疲弊し、感染者を治療する病院も根幹にある問題が解決しておらず、大変な中、さらに考えられる第3回目、第4回目の流行に対して、体制の整備など具体的な話はでてきていない。総裁選を追いかけている中で、菅さんが強調していたのはGoToトラベルの話などだったが、対策は足元から具体的にやることなので今後の具体策に注目したい。
・デジタル庁新設…30/100点
→これが目玉だというのはおかしい。課題は安倍政権の時から指摘されていた。2009年の新型インフルエンザの時から、日本の感染症対策の遅れは指摘されており、デジタル化を進めてこなかったことで、非効率な業務に現場が忙殺されるという事態が起きた。デジタル化を進めなくてはならないと言われているが、では7年8カ月の安倍政権でなぜ進まなかったのか。課題の洗い出しや反省が見られず、改革だ、目玉だと持ち上げることはできない。これから具体的に何をやるのか、どういう目的でや取り組むのかも語られていないと思う。
・縦割り行政打破の“縦割り110番”…50/100点
→縦割りの弊害は何十年も言われているが、なぜ打破できなかったのかについて語るべきだろう。安倍政権という長期安定していた政権で改革ができなかったとするならば、その弊害は何だったのか、官房長官から見てどう思っていたのかを総理大臣としてはっきり言わなければならない。“縦割り110番”も官僚に対するプレッシャーの手段に使われるだけなら、悪い意味でのポピュリズム的な手法だ。「国民の(一部の)声対官僚」という構図作りにに使うのならば、やはりいいものだとは思わない。
・桜を見る会中止…50/100点
→中止の決定事態は評価する。菅さんは良くも悪くも政治的な理念、ビジョンがない人。政治的な理念を掲げ、政治を通して、どのような国を作っていきたいか、やりたいことというのがあまりない、大きな目標やビジョンを描くということよりも、目の前の実務や仕事が好きというタイプの政治家。桜を見る会の中止は菅さんらしくて、意味がないと思ったらすぐやめてしまう。当然、やめたら済むのか、問題はおしまいかというとそれは別問題。
さらに、菅総理の特徴は“値下げ好き”なことだとし、「それをやることによって、国民が喜ぶと思っているところがある。携帯などを含めて値下げの結果が出てきて、それを政権が喧伝し始めた時は、いよいよ解散総選挙ではないかとみている」と予測した。
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