アメリカのTIME誌が今年の「世界で最も影響力のある100人」を発表した。日本からは、2017年に性的暴行を公に訴え、昨年の民事訴訟で勝訴したジャーナリストの伊藤詩織さんが「パイオニア(開拓者)部門」、テニスの大坂なおみ選手が「アイコン(象徴)部門」に選出された。
【映像】「世界で最も影響力のある100人」に大坂なおみ選手、伊藤詩織さんら
伊藤詩織さんについてTIME誌は「性暴力被害を勇敢に告発することで、日本人女性たちに変化をもたらした」と紹介。テニスの大坂なおみ選手は2年連続の選出になった。
さらに、黒人人種差別に対する抗議活動を行う「Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)」の創始者も選出されたほか、黒人女性として初めて主要政党の副大統領候補に指名された民主党のカマラ・ハリス氏も選ばれた。
また、TIMES誌が世界のリーダー部門で真っ先に挙げたのが、アメリカで新型コロナウイルス対策の指揮を執る国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長だ。新型コロナウイルスの抑え込みに成功し、国際社会からも評価を受けた台湾の蔡英文総統、アメリカのトランプ大統領、ドイツのメルケル首相なども選出された。
新型コロナにどのように対応するか、政治家や指導者に注目が集まる今年の「世界の100人」。ニューズウィーク日本版編集長の長岡義博氏は「明らかに新型コロナ関係の選出者が多い」と見解を述べる。
「新型コロナのニュースへの影響力を考えれば当然のこと。Web会議サービス・Zoomの創業者であるエリック・ユアン氏に注目している。ユアン氏は中国出身。TikTokやHUAWEI(ファーウェイ)に続く、中国における科学力の伸びが反映されている。その他、中国関係では2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)のワクチン開発に尽力した人などもノミネートされている」
TIME誌では100人の中から「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」を選ぶが、長岡さんは「大坂なおみ選手が選ばれる可能性があるのでは」と言及。現在、世界ランク3位の大坂選手は、優勝した全米オープンなどの大会で、黒人への人種差別に抗議するマスクを付けて参加している。
「スポーツに政治を持ち込むな」といった批判もある一方、称賛の声も寄せられている大坂選手。長岡さんは「大坂選手はBlack Lives Matterでも注目された。全米オープンでも勝っていて、両方の側面からパーソン・オブ・ザ・イヤーに選ばれる可能性がある」と推測した。
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