端正なルックスに切れ味のある攻め、KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)にMリーグの舞台はどの若手よりふさわしいものだった。個人成績は13位(▲43.1)、ソツなくどんな場面でも打ち回せる反面、レギュラーシーズン終盤では黒沢咲(連盟)に役満を振り込むなど、悔しい負けもファンの印象に残っている。2年目、マイナーチェンジを決めた“手順マエストロ”が、捲土重来を期す。
-昨年を振り返って、どのようなシーズンでしたか?
内川幸太郎(以下、内川)
チームの目標として、一番長く皆さんの前で麻雀を打てるようにするというのがあったので、ファイナルシリーズに出られたことは目標がクリアできたかなと。決勝だけをみると惨敗で最初のシーズンを終えた、というのが正直なところです。
-新シーズンに向けて、どのような準備を?
内川
Mリーグはトップを取らないとポイントが増えないルール。僕はもともと平均着順(で勝負をする)プレイヤーなんです。Mリーグはトップとラスならポイントが増えるので、平均着順が高いスタイルより、トップ率が高いプレイヤーにならないといけないと、シーズン中に考えていました。この部分を意識して変えている、というのが準備です。
昨年はファイナル進出が目標で、チームメイトの沢崎さんがたくさんポイントを稼いでくれていたので自分はバランサーというか、大きなラスを取らないでポイントをプラマイゼロくらいで落ち着けばファイナルへ行けるだろう、と思っていたので。終盤になるまではフラットで行こうかなと思っています。自分も本来は攻撃型の方なので、どんどん攻撃をしていこうと思っています。
-ファンも多い立場で、リーグの発展を常に考えている。
内川
1年目はまず僕たちが入ったことで「面白くなった」と思ってもらえるように、情報の発信であったり、グッズを作ったりというところを頑張ってきました。「面白い」という評価もいただいていますし、これからもそれを続けていきたいです。
KADOKAWAという会社がいろんなコンテンツを持っている会社なので、その力を生かして麻雀を知らない人に知ってもらう活動をしたいと思っています。違う業界に飛び込んでいくというのを、今後も広報活動の一つとしてやっていきたいなと思っています。
-ファンへ向けて、今年の目標を。
内川
2年目はより勝負としてシビアにやってきたいと個人的には思っています。ファンの方には勝ったときには賛辞をいただき、負けた時は「どうなってるんだ!」というくらいの批判をしていただくと言う気持ちでやっていきますので、真剣に見ていただいて、より楽しんでいただければと思います。
チームバランスを考え、年間を通した戦い方に準じた結果、昨年は大きくスコアを乱さないことに注力した。今シーズン、いつもは物腰柔らかい王子様が、これまでよりも強引な攻めを見せ、2年目の頂点を狙う。
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。優勝賞金5000万円。




