2019シーズンでは4着回避率賞の個人タイトル獲得に加え、役満ツモでファンを熱狂させるなどリーグをけん引し続けたセガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)。ファイナルで惜敗した理由は、誰よりも本人がしっかりと理解していた。昨年のレギュラーシーズン振り返り、そして今期への意気込みを聞いた。
-昨年は年が明けるまでラスなし。抜群の安定感でした。
近藤誠一(以下、近藤)
去年はずっと内容が良くて、役満もアガれました。連続ノー放銃記録やラス回避という記録もあったのですが、しかし、どこかそれらの記録の影響があったというか、プレッシャーもありました。レギュラーシーズン最後、記録を優先して試合に出るのをやめたんですね。6試合ぐらいあったと思うんですけれども、あと1回ラスを引いたらラス回避のタイトルを取れなくなるということで。
それは結局、戦う姿勢を維持していたものを一度引っ込めることになるので、次にまた戦う姿勢を作り上げる必要があるんです。これがその後のことに少し影響したんじゃないかなと思います。
-もう一度気持ちを高めるのが大変?
近藤
そもそも自分は攻撃面を注目されることが多いですが、実は守備寄りなタイプです。気持ちを強く持つことによって、攻撃に深く踏み込むということをやって、戦う状態を自分で作っているので、一度試合から引っ込むことで、もう一度その状態を作り上げるのがちょっと弱かったなと。
役満ツモなど派手な高打点でも対局を演出した昨シーズン、実はその舞台裏には、「気持ちを強く持つ」と意識していかねばならない近藤の繊細さと、攻め意識の構築があった。
-開幕へ向けて、どのような準備を。
近藤
自分は少し特殊かもしれませんが、打つ回数を減らしているんですね。体が消耗してしまいますし、いろいろガタが来ているので(笑)。今は映像がたくさん残っている時代なので、いろんな人を見て情報収集をしています。新加入の堀さんはめちゃくちゃ強い、やばいと思います。構想力や相手への読みもそうですが、駆け引きのようなところもかなり繊細にやってくると思いますし、すごく巧みさを感じますね。
-来シーズン、やはり目標は優勝と。
近藤
勝つこともとても大事なのですが、どういう内容が面白いと思ってもらえるか、感動を与えられるかということを考え続けることが大事だと思います。チームとしてそういうことを考えている部分もあります。とにかく精一杯戦って勝つこと、そして、「感動を与えて勝つ」こと。この両輪を回して戦ってきたいと思います。
レギュラーシーズン終盤、出場試合をセーブしたせいか、優勝を決めるところでは勢いに乗れず、ファイナル最終戦では痛恨のラスを引いた。「あえて打数を減らす」というベテランらしい準備で開幕前にエネルギーチャージとバランス調整。今年も“千両役者”と呼ばれる粋な麻雀を繰り広げ、昨シーズン以上の感動をファンへ与えるはずだ。
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。優勝賞金5000万円。
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