掲げたテーマは“脱・鬼の形相”朝倉康心、精神的余裕持って「やる気のない表情?ぐらいで(笑)」
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 チームの優勝はもちろん嬉しい。しかし、U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)にとっては課題が残った2019シーズンだった。プロ麻雀リーグ「Mリーグ」ならではのチーム戦という重圧を背負いすぎたがために、失ってしまった冷静さ。対局中の鬼気迫る表情は、個人成績が振るわずに精神的に追い込まれたことの表れでもあった。そんな朝倉が掲げた新シーズンの風変わりなテーマは、これまでとは正反対の「やる気のない表情」で打つこと。飄々とした“脱力打法”の成否が、連覇を狙うチームの浮沈を左右するかもしれない。

【動画】朝倉康心、2019シーズンハイライト

-個人としては苦しんだものの、チームは見事に優勝を果たした。あらためて昨シーズンを振り返って思うことは。

朝倉康心(以下、朝倉)

 チームとして優勝できたという結果は本当に嬉しいことなんですが、個人では大きくマイナスしていますので、素直に「やったー!」と言える感じではないかな、と。僕自身としては、かなり課題の残るシーズンでした。「自分のミスでチームメイトや関係者に迷惑をかけてしまう」「応援してくれるファンの方に申し訳ない」とチーム戦のプレッシャーをすごく重く捉えてしまい、それがメンタル面にも影響してしまいました。ここぞという場面で「自分がなんとかしなければ」と気負って失敗して、精神的に追い込まれてまたミスを繰り返す……という悪循環に陥っていた印象があります。

-闘志をむき出しにして、鬼気迫る表情で対局に臨むことも多かった。

朝倉

 悪く言えば、余裕のなさが顔に出ていたということですね(笑)。今シーズンは飄々とした感じというか、「なんでこんなにやる気のない表情を?」くらいの軽さで打ちたいです(笑)。チームメイトのおかげで優勝できたという立場なので、だからこそ「自分がなんとかしなければ」という気持ちは捨てていこうかな、と。心強いチームメイトに頼るべきところは頼って、自分の仕事をしっかりやってチームに貢献したいと考えています。

 登録ID数573万人(2020年9月現在)を誇るオンライン麻雀ゲーム「天鳳(てんほう)」で、わずか15代しか生まれていない最高峰の称号・天鳳位を2度獲得し、所属団体である最高位戦でもA1リーグに所属するなど、朝倉の実力に疑いの余地はない。ポイントゲッターとしての責任感から昨シーズン開幕前には個人MVPを目標としていたものの、チームで掴んだ優勝を経て、2020シーズンはあえて控えめな姿勢を打ち出している。

-2020シーズンはどれくらいの成績を目指していく?

朝倉

 チームとしての理想は、全員がプラスしての連覇。これが最大目標です。逆に個人としては、あまり気負わずに「プラマイゼロよりは上」くらいの目標でいいかな、と考えています。2019シーズンの結果が「自分が負けてもチームメイトが勝ってくれる」という心の余裕を与えてくれるので、今までよりも集中して対局に臨みたいですね。常に冷静に、「最終的に少しでもチームのプラスになれば理想的だな」という謙虚な気持ちで頑張ります。

 インタビュー中も、心なしか明るく朗らかな表情を見せることが多かった印象の朝倉。個人戦では決して味わうことのなかった重圧を、頼れる仲間たちと築いた信頼関係で克服していく過程は、まさにMリーグの醍醐味だと言える。ほどよい脱力感と「チームを助け、チームに助けられる」というフォア・ザ・チームの精神が、翻って個人としての朝倉をさらなるレベルアップへと導く手がかりになるかもしれない。

◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。優勝賞金5000万円。

Mリーグ2019 - Re:mind - M.LEAGUE 2019 Re:mind U-NEXT Piretes 朝倉康心
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Mリーグ 配信情報まとめ
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