日本学術会議の会員の任命やその在り方が注目される中、政府の対応を巡って新たな言葉が誕生した。「チャーハン論法」とは一体何なのか。
野党は9日、日本学術会議の大西元会長などへのヒアリングを行った。政府が法律の解釈変更を行ったのか、野党による厳しい追及が続けられる中、生まれたのがこのチャーハン論法。これは、法政大学の上西充子教授が、学術会議をめぐる政府の説明を“チャーハン作り”にたとえて批判したことをきっかけに生まれた言葉。上西教授といえば、かつて「ごはん論法」を生み出した人だ。
ご飯論法とは、質問者の質問に真正面から答えず逃げる論法。例えば、「朝ご飯は食べたか」という質問に対し、食事であるご飯を狭い意味である「白米」と故意にとらえ、「ご飯(白米)は食べていない」と論点をはぐらかす手法だ。
これは安倍政権時代に野党の追及が続いた森友・加計問題や桜を見る会での、安倍総理などの対応に使われた。国会で度々見受けられた“逃げ”のような答弁から命名されたご飯論法は、その年の流行語大賞のトップ10にも選出された。
そんなご飯論法に続くチャーハン論法とはどういったことなのか。
日本学術会議の会員の任命について、「政府が行うのは形式的任命にすぎない」という1983年の政府答弁と「推薦に従う義務はない」とする2018年の政府文書の矛盾について、加藤官房長官は7日、次のように説明した。
「憲法第15条第1項の規定に明らかにされている通り、公務員の選定任命権が国民固有の権利であるという考え方からすれば、任命権者である内閣総理大臣が推薦の通りに任命しなければならないというわけではないという考え方を確認したわけであって、昭和58年の国会答弁も当然、現憲法下のもとでされたわけであるから、このような前提でされたものであると認識している」
この回答について上西教授は、「『エビチャーハンを作っていたのを玉子チャーハンに変えましたよね』という質問に対し、『同じシェフが作っておりその点においてなんら変わりはない』と言っているようなもの」と指摘。上西教授は憲法を根拠に「同じ考え方に立っている」ので問題ないという官房長官の主張を批判しているのだ。
8日、このチャーハン論法について聞かれた加藤官房長官は、「まず例えの意味がにわかに分からないが、説明が分かりづらいという指摘にはしっかりと説明できるようにさらに努力していきたい」と答えている。
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側