華やかな麻雀でファンを魅了する“セレブ”が、ゴージャスすぎるイリュージョンを演じてみせた。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」10月13日の第1試合で、TEAM雷電・黒沢咲（連盟）がメンツ落としの直後にアガるという異次元プレーを披露。対戦相手も視聴者も幻惑する手牌の大変身に、実況を担当した松嶋桃（協会）は「どんなトランスフォームですか！？」と驚きの声をあげた。
起家から黒沢、EX風林火山・勝又健志（連盟）、KADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾（協会）、U-NEXT Pirates・瑞原明奈（最高位戦）の対戦となった第1試合。堀のMリーグ初勝利が濃厚となったオーラスの南4局2本場に、誰もが目を見張るアガリが生まれた。
ラス目からの浮上を目指す親の瑞原の先制リーチを受けて、3着目の黒沢は順位を維持するために自身もアガリを目指していく。一度は三・六万待ちのテンパイとなるも、ここで黒沢はいずれも瑞原の現物となっていた七・八・九万のメンツを崩して迂回するコースを選択。アガリからはいったん遠ざかる形になり、巡目の深さもあって復活は難しいかと思われたものの、ここからがリッチな引きの強さを誇る“セレブ”の真骨頂だった。
黒沢がメンツから七万を抜いた次巡、まず「2345」の連続形となっていた索子に6索が加わり、1・4・7索の三面張を含む「456」の三色同順のイーシャンテンに。最高形に裏ドラが乗れば勝又を交わして2着浮上となる倍満ツモ条件をクリアするため、解説を務めていた渋谷ABEMAS・多井隆晴（RMU）は「倍満ツモで変わるよ！」と大興奮。さらに八万切りの次巡、三色同順は崩れたものの三万を引き入れた黒沢は、何事もなかったかのように九万を切ってメンツ落としを完遂。他家には瑞原のリーチにオリているようにしか見えない1・4・7索待ちのテンパイ復活となった。
手出しでメンツを崩したことが明白な黒沢は当然ノーマークとなり、下家の勝又は前巡に通った安全なはずの7索を対子落とし。すると黒沢からロンの声がかかり、3着を確保するタンヤオ・平和・赤の3900点（＋600点、供託1000点）のアガリが成就した。メンツ落としから無駄ヅモなしで手牌が変貌する“超展開”を、実況の松嶋は「どんなトランスフォームですか！？」とウィットに富んだフレーズで表現。トップが確定した堀も思わず怪訝な表情を浮かべ、解説の多井も「ちょっと待ってよ。だって、ええ……？七・八・九万を手出しした瞬間に張る確率なんてないですよ」と笑うほかない様子だった。
“セレブ”の異名にふさわしい贅沢すぎるメンツ落とし直後のアガリを受けて、視聴者コメント欄も「すげえものを見た」「黒沢は異次元」「この人やばいわ笑」「漫画やん」「勝又はなにも悪くない笑」「堀の表情ｗ」「面白すぎるセレブ」と大盛り上がり。結果は3着だったものの、TEAM雷電が標榜する“面白い麻雀”を鮮やかに体現した一局となった。
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
