攻めを貫く気持ちの強さとチームメイトへの愛情が、最高の結果を呼び込んだ。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」10月15日の第2試合で、渋谷ABEMAS・日向藍子(最高位戦)が今期初勝利。チームの“ヒーラー”であろうと務めるママ雀士が、第1試合で3着に敗れた渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)のダメージを癒やすトップを持ち帰った。
この試合の対局者は起家からKONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)、TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)、U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)、日向の並び。第1試合でトップを獲得した瀬戸熊は余勢を駆っての連投となった。
渋谷ABEMASのムードメーカーとして大きな役割を果たしている日向は、家庭では1児の母として愛娘に愛情を注ぐママ雀士でもある。シーズン開幕前には、あふれるチーム愛と包容力で仲間を支える“ヒーラー”になることを目標に掲げていた。この日は第1試合で松本が上位から離された悔しい3着に終わったこともあり、「モッティー(松本)の分まで」という強い思いを持って対局に臨んだ。
ファンを魅了するキュートな発声や仲間思いの性格は癒やし系でも、麻雀においては「ここぞ」の攻撃力を備えているのが日向の特徴だ。東3局はじっくりと染め手を作り、狙いすました白単騎のヤミテンで瀬戸熊からホンイツ・七対子の8000点を直撃。続く親番の東4局は朝倉の先制リーチにもひるまず、危険牌を打ち抜いての追っかけリーチを敢行する。この対決を見事に制し、リーチ・赤2・ドラの1万2000点で4万点超のトップ目に立った。
リードを維持したまま迎えた南2局3本場は、朝倉の一・四万待ちのリーチを受けた後に、ホンイツを狙えと言わんばかりにマンズが押し寄せる難しい展開に。ため息が漏れるほどの長考の末、日向は生牌のドラである西を押して高目をツモれば倍満となる白・一万待ちのテンパイを取る。結果は両者痛み分けの流局となったものの、実況の松嶋桃(協会)は「西を切った勇気がすごい」と感嘆。解説の土田浩翔(最高位戦)も「大したものです。これは普通切れないですよ」と抜群の胆力を称えていた。
オーラスまでリードを守り抜いて手にした自身のシーズン初勝利に、日向は「ホッとするというのが本心です」と安堵の笑顔。12日の多井隆晴(RMU)のチーム初トップに引き続き、仲間のマイナスを即座に挽回するという好循環を受けて、「本当に仲良く支え合ってやっていけています」と渋谷ABEMASの絆の強さを強調した。敗戦によるメンタルへのダメージも失ったポイントも回復する“ヒーラーママ”の存在は、悲願の優勝を狙うチームの大きな助けになるに違いない。
【第2試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・日向藍子(最高位戦)3万7600点/+57.6
2着 U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)2万1900点/+1.9
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)2万1200点/▲18.8
4着 TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)1万9300点/▲40.7
【10月15日終了時点での成績】
1位 赤坂ドリブンズ +170.9(6/90)
2位 KADOKAWAサクラナイツ +159.6(6/90)
3位 EX風林火山 +43.9(6/90)
4位 渋谷ABEMAS +32.1(8/90)
5位 セガサミーフェニックス ▲43.7(6/90)
6位 TEAM雷電 ▲62.6(8/90)
7位 U-NEXT Pirates ▲103.4(8/90)
8位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲196.8(8/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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