やられたらやり返す。圧巻とも、執念とも呼べるアガリの連続で、今期初トップをもぎとった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」10月19日の第1試合で、渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)が今期初勝利を獲得した。
この試合の対局者はU-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)、松本、赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)、EX風林火山・滝沢和典(連盟)の並びでスタート。
開局から村上、小林が続けて大物手を成就させ、松本はいわゆる「ツモられ貧乏」となりラス目。さらに東4局1本場では、滝沢に七対子・ドラ2を放銃してしまうと、松本は残り3800点まで追い込まれた。
この時の心境を松本はインタビューで「もう帰りてぇ…と。」と正直に表現したが、「その後が修正できたかなと。落ち着いて打てたので」と、大量のビハインドを背負っても、それを跳ね返す強靭なメンタルによって、勢いを引き寄せた。
滝沢へ放銃した直後の東3局、松本はリーチ・平和・ドラ・裏ドラの8000点(+900点)のアガリで箱割れの危機を回避すると、南2局の親番でツモ・七対子・赤・ドラ2で1万8000点を獲得するなど怒涛の5連続アガリで一気にトップへ。その後はライバルの追撃を受けながらも放銃はせず、今期3戦目で初トップを手にした。
インタビューではジェットコースターのような試合展開に疲労の色を見せながらも、「アガれたのはたまたまですが、この結果が本当に嬉しいです」と、安堵の表情を見せた。オーラスは2着争いもし烈なことから「自分が決めなくてもトップで終わる可能性が高い。1牌も押す気がなかった」と安全優先の進行であったことを説明した。
序盤の大きな失点から盛り返した松本に、視聴者からは「これはラスだと思ったなー」「5連続、かっこいい」「もってぃーおめでとう!!」と多くのコメントが投稿された。
3戦目での初トップには「ギリギリ早いほうかなと。この先も頑張れる気がします」と謙虚に語った。絶対的エース多井隆晴(RMU)の薫陶を受け、対局を重ねる度に強くなる若武者が今期早々に掴んだ初勝利。昨期は個人成績26位、▲246.3と辛酸を舐めた松本の、リベンジのシーズンが始まった。
【第1試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)5万1900点/+71.9
2着 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)3万1400点/+11.4
3着 赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)2万2800点/▲17.2
4着 EX風林火山・滝沢和典(連盟)-6100点/▲66.1
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
この記事の画像一覧






