10月17日に開催された立ち技格闘技イベントKrushの後楽園ホール大会で、異色の対決が実現した。セミファイナルのスーパー・ライト級マッチ、鈴木勇人vs松本篤人だ。
元チャンピオンの鈴木は少年時代に暴走族だった。少年院、刑務所に入ったこともあり、格闘技によって更生したという経歴がある。対する松本は東京大学を卒業して厚生労働省に入省した、いわば“官僚ファイター”だ。36歳、妻と2人の子供がいる。
まったく対照的な人生。格闘技のリングでなければ、この2人が出会うことはなかっただろう。しかし試合になれば元不良も東大卒もない。2人は真っ向から殴り合い、最後はボディブローで鈴木がKO勝ち。だが松本のアグレッシブな闘いぶりも目立った。大会ベストバウトと言っていいだろう。リング上の松本を見て“子持ちの公務員”だと思う者はいないはずだ。勝った鈴木は試合後に「松本選手の印象が180度変わりました」とコメントしている。