「学校や幼稚園での皆勤賞って必要でしょうか?」
広島県の認定こども園に勤める40代男性が中国新聞に宛てたメッセージが物議を醸している。この男性のこども園では、卒園式の際に全園児・保護者の前で皆勤の園児を称えているというが、コロナ禍のいま、体調不良を抱えて無理に登校すれば感染拡大の恐れも。皆勤賞が「休むことは悪い」というメッセージを与えてしまうのでは、と問いかけた。
実際、皆勤賞の見直しを行う幼稚園もある。静岡県浜松市にあるひくま幼稚園の水野明園長は「熱があっても無理して幼稚園に来て、出席だけとったらすぐに帰る。親の都合でどうしても休まなくてはいけないときに、何とか出席したことにしてくれないかなどと言われた。賞を取ること自体が目的になってしまっては本末転倒だ」と話し、皆勤賞の在り方に疑問を呈した。ひくま幼稚園では2、3年間の皆勤賞は廃止としたものの、健康管理を維持して頑張っている子どもたちのために1年間の皆勤賞のみ存続。その理由について水野園長は「惰性でやっていくのではなくて、何が目的なのかをしっかりと考えて私はやっていきたい」と説明した。
一方、皆勤賞の存続に対して肯定的な意見もある。
神奈川県横浜市の金の星幼稚園の大山文恵園長は「絶対にやった方がいい。成績よりもずっと自分に自信を持つ」と話し、皆勤賞が子どもたちの努力や自己肯定感を伸ばせる指標の一つだと主張する。さらに大山園長は皆勤賞を廃止することで生じる親への影響についても指摘。「親はどんどん(子どもを)自分都合で休ませる。朝ちょこっと顔を出して帰るのもよい。皆勤賞や精勤賞をもらったことが子どもの一生涯の支えになるかと思ったら、みんなに皆勤賞をあげたい」と話した。
皆勤賞の是非について、元大王製紙会長の井川意高氏は「ブラック企業の風土を蔓延させる元凶」と否定的な見解を示すと、会社経営側からの意見として「一生懸命頑張っているのだから許される。個人個人、業績を出すことが本来は大切なのに、『アイツは毎日会社に来て、朝や早くから夜遅くまで頑張っているんだから大目に見てやろうよ』という企業活動からしたら本末転倒な事態に日本人は陥りやすい。私だけではなく、当時の社長仲間の間でも困った問題とされていた。日本人は幼稚園くらいの小さい時から、そうした風土を刷り込まれていると実感していたので反対だ」と意見を述べた。(ABEMA『ABEMA的ニュースショー』)
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