やはり今シーズンの“魔王”は一味違う。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」10月20日の第2試合で、KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)が個人2勝目となるトップを獲得。第1試合の前原雄大(連盟)に続く2連勝で、チームの順位も最下位から6位へとジャンプアップを果たした。
この試合の対局者は、起家からKADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)、セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)、TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)、佐々木の並び。同対局をもって、全8チームが90試合のレギュラーシーズンのひとつの節目となる10戦目を消化することになった。
15日の第1試合で瀬戸熊の猛連荘「クマクマタイム」の餌食となり、-9200点のラスを引かされた“魔王”こと佐々木。早々に訪れたリベンジの機会に「瀬戸熊さんが上家にいたので、かなり意識はしていました」と闘志をみなぎらせて対局に臨んだ。
東2局、佐々木は序盤のテンパイをとらずに好形を目指して手を育て上げ、3面張のリーチ・タンヤオ・平和・赤2・ドラの1万2000点を内川から直撃。その後は魚谷、瀬戸熊と熾烈なトップ争いを演じるも、なかなかアガリの出ない我慢の展開が続き、魚谷に次ぐ2着目で南4局の親番を迎えることになった。
瀬戸熊とのリーチ対決が流局となった直後の1本場で、ここまで溜め込んだ佐々木の“魔力”がついに爆発する。白2枚、發2枚、中1枚を内蔵した配牌を手にすると、発をポンした直後に2枚目の中を引いて役満・大三元のチャンス。結果的にマンズのメンツが先に完成して役満成就とはならなかったものの、佐々木は山に4枚残った白・中待ちの小三元・ホンイツを悠々とツモアガリ。ワンパンチで勝負を決める1万8000点(+300点、供託2000点)の大物手に、実況を務めた松嶋桃(協会)も「魔王の一撃が来ました!」と興奮を伝えた。
さらに続く2本場でダメ押しのリーチ・七対子・赤の9600点(+600点)を加点し、6万点台に迫る大きなトップをチームに持ち帰った佐々木。インタビューでは小三元の場面を「気持ちよかったですね」と振り返り、レポーターの松本圭世と持論の“引き算理論”に基づいた漫才のような問答を繰り広げるなど、箱ラスの悔しさを吹き飛ばす快勝に舌も滑らかだった。
過去2シーズンの初勝利はいずれも8戦目と、Mリーグにおいては“出遅れ癖”が指摘されていた佐々木だが、今期は3試合で早くも2勝目をゲット。前原との連続トップで+129.1ポイントを荒稼ぎしたKONAMI麻雀格闘倶楽部は最下位を脱出し、さらに首位のKADOKAWAサクラナイツを2連続ラスに沈めたことで上下のポイント差は一気に圧縮された。大混戦の予感が漂う2020シーズンのMリーグにおいて、気力も魔力も充実した超攻撃的な“魔王”の存在は他チームの大きな脅威になりそうだ。
【第2試合結果】
1着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)5万8800点/+78.8
2着 セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)1万9600点/▲0.4
3着 TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)1万5800点/▲24.2
4着 KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)5800点/▲54.2
【10月20日終了時点での成績】
1位 KADOKAWAサクラナイツ +95.5(10/90)
2位 赤坂ドリブンズ +72.9(10/90)
3位 EX風林火山 +72.8(10/90)
4位 渋谷ABEMAS +52.3(10/90)
5位 セガサミーフェニックス ▲8.6(10/90)
6位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲67.7(10/90)
7位 TEAM雷電 ▲102.0(10/90)
8位 U-NEXT Pirates ▲115.2(10/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)