将棋の藤井聡太二冠(18)が10月21日、順位戦B級2組6回戦で村山慈明七段(36)に勝利、同級での今期成績を負けなしの5連勝とし単独トップに立った。大活躍の夏から一転、秋に入って黒星が先行していた藤井二冠は、過去0勝1敗だった村山七段に、戦法としても苦戦が続いていた「横歩取り」の出だしから、時間をじっくりかけて大きな1勝。最年少名人記録に必須の1期抜けに向けて、全10局の半分を無傷で折り返した。
最年少でタイトルを2つ獲得、八段に昇段も果たすなど「藤井フィーバー」再来と言われる大活躍を見せていた藤井二冠だが、9月に入って豊島将之竜王(叡王、30)、羽生善治九段(50)の2人に計3敗。過去3年連続で8割を超えていた年度勝率も、久々に7割台に落ちていた。
横歩取りの出だしから、両者とも時間を使って進めた一局は、対局開始から12時間経過した午後10時を過ぎても、まだ中盤の探り合いといった持久戦に。両者の持ち時間が10分を切ったところから、戦いが激化。少しずつリードを積み重ねていた藤井二冠が、最終盤は一気に突き放した。
対局後、藤井二冠は「横歩取りから力戦模様になったんですが、駒があまり前に出にくい将棋なので、どうバランスを取ればいいかわからなかったです」と振り返ると、5連勝で単独首位に立ったことについて「いい形で前半を終えることができたので、一局一局全力を尽くしていきたいです」と、今後の抱負を語った。
藤井二冠には、最年少での名人獲得の可能性が残されている。現記録保持者は谷川浩司九段(58)が持つ21歳2カ月で、これを更新するにはB級2組、B級1組を1期抜けし、初のA級で挑戦権を獲得、さらに名人戦で奪取する必要がある。
(ABEMA/将棋チャンネルより)