強敵3人、まとめてリベンジ成功だ。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」10月23日の第1試合で、赤坂ドリブンズ・丸山奏子(最高位戦)がチームの先輩である“リーチ超人”こと村上淳(最高位戦)のような攻めで見事にアガリを重ね、今期初トップを獲得した。
この試合の対局者はTEAM雷電・黒沢咲(連盟)、丸山、渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)、KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)の並びでスタート。丸山にとってこのカードは、試合後に「去年、ボコボコにやられたお三方」と語るほど負けたイメージの強い相手が揃っていた。
丸山の初アガリが訪れたのは東1局2本場。2枚切れのカン二万待ちを迷わずリーチし、満貫をツモるなど存在感を示し、リードを築く。最大の見せ場は東4局3本場、ドラの3索を暗刻にして、一盃口確定のテンパイ。リーチをかけずとも十分な手だが、丸山は即リーチを敢行。これを見て解説を務めていた渋川難波(協会)は「これはスゴイ!これがリーチ超人ですよ!」とその度胸を絶賛した。
山に4枚ゴッソリと残っていた6索をツモって、リーチ・ツモ・一盃口・ドラ3の1万2000点(+900点、供託1000点)のアガリを獲得した。これには視聴者も「キター!」「うわあwwww」「ツモるんかいww」と大盛り上がり。
トップ目がかけるリーチは、待ちの良さかそれなりの打点、あるいはその両方を備えている可能性が高い。ライバル3者もこのリーチに押し返しにくいこと、ダマテンに構えていても、「6」という使いやすい数字の牌である以上、出てくる公算は低いことなどから、打点十分でもリーチのメリットがあり、それを見事に丸山は活かしてみせた。
丸山はこれでダントツになり、昨期の10月29日以来、360日ぶりのトップとなった。インタビューでは、「去年の借りを返すチャンスと、自分を奮い立たせて挑んだんですが、トップが取れて嬉しいです」と晴れやかな笑顔で語った。カン6索の跳満を振り返り丸山は「黒沢さんの1筒対子落としを見て、リーチをしようかと思った瞬間にテンパイして、勢い余ってリーチって言っちゃって、これホントに良かったかな?って」と心境を素直に語った。
最高位戦のプロテストを受験時、丸山が実戦対局で他者の手出しツモ切りをよくチェックし、それを元に戦略を立てていたことに園田賢(最高位戦)が感心し、それから目をかけられるようになったというエピソードがあるが、この跳満もまさに丸山の繊細さ、観察眼が良い方向に作用した。
最後はファンへ向けて「やっとトップが取れて嬉しいです。ドリブンズもMリーグも応援よろしくお願いします」と、深々と頭を下げた。これにはファンも「まるこおおおおお」「おめでとー!」「頑張ったなw」とエールを送っていた。
渋川はハイライトを振り返り、「(勢い余ってリーチと言っていたが)たぶん、じっくり考えてもリーチになったんじゃないですかね」と語り、「発想が素晴らしい」と褒め称えていた。
【第1試合結果】
1着 赤坂ドリブンズ・丸山奏子(最高位戦)4万3500点/+63.5
2着 TEAM雷電・黒沢咲(連盟)2万8000点/+8.0
3着 KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)2万200点/▲19.8
4着 渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)8300点/▲51.7
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)