待望の今期初トップ、思わず涙腺が緩んだ。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」10月30日の第2試合で、赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)が今期1勝目を獲得した。
この試合の対局者はKONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)、渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)、U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)、園田の並びでスタート。
園田は東1局から加点に成功、東2局1本場でも“魔法”と称される仕掛けテクニックを駆使しアガリをゲット、2着目で東4局の親番を迎える。ここでリーチ・ツモ・平和・ドラ2・裏ドラ1の1万8000点をアガリ、ダントツとなった。この日は園田得意の押し引きのスキルが見事に発揮され、勝負手はしっかりアガリをモノにして、引くべき時は引くというメリハリがよく表れていた。
南場は逆転を期す多井からリーチ攻勢が続き、オーラスもリーチにツモられればあわや逆転負けというところまで追い込まれた。さらに3着を確保したい前原からもリーチがかかり、仕掛けてテンパイしていた園田は長考。ここで切りたい赤5筒は多井には現物だが前原には危険牌。27日の対局では、リードがありながらKADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾(協会)へ痛恨の倍満放銃で勝利を逃しているが、ここでは自身のアガリも見て一発プッシュ、見事に通して見せた。結果は前原のツモアガリとなり、園田の今期初トップが確定した。
インタビューでは「ホっとしましたね、南場を迎えてトップ目のところからトップが取れない半荘が2回あったので…」と感無量。笑顔も多かったが、疲労困憊という表情も垣間見えた。
昨期はまさかの個人成績最下位、▲377.6という大敗を喫した。デジタル雀士が揃う赤坂ドリブンズにおいても屈指の理論家で知られる園田だが、この日のオーラスは押す価値が十分にある前原への赤5筒さえ「これで打って跳満っていわれたらめちゃくちゃ叩かれるんだろうなあ…」と苦い表情で語り、メンタル面で追いやられていたことも打ち明けた。
ファンに向けては「ようやくトップが取れました。これでドリブンズ全員トップが取れて、好調です!」と今後の飛躍を誓った。この中継を見ていたファンからは「おめでとう!」「園田また頑張ってくれ~」「お疲れ様でした!」とねぎらいのコメントが投げかけられた。
チームがYoutube配信している「クラブハウスLIVE中継」では、園田が控室に戻るシーンも放送された。チームメイトに拍手とハイタッチで迎えられた園田は、思わず目頭を押さえる場面も。その後はすぐに対局内容を振り返り、検討を忘れていなかった。
2年前、創設年度の優勝チームであるドリブンズ。昨年大敗からの巻き返しに園田の復調は欠かせない。感涙の今期初トップで調子は上向き、ライバルチームにとっては、寝ている獅子を起こしてしまった危険な夜となった。
【第2試合結果】
1着 赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)3万7900点/+57.9
2着 渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)3万1400点/+11.4
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)2万1400点/▲18.6
4着 U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)9300点/▲50.7
【10月30日終了時点での成績】
1位 赤坂ドリブンズ +281.3(16/90)
2位 EX風林火山 +186.3(16/90)
3位 渋谷ABEMAS +14.1(16/90)
4位 KADOKAWAサクラナイツ ▲64.3(16/90)
5位 セガサミーフェニックス ▲68.4(16/90)
6位 U-NEXT Pirates ▲99.0(16/90)
7位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲119.6(16/90)
8位 TEAM雷電 ▲130.4(16/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
この記事の画像一覧






