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■コロナ禍でさらにニーズが高まった「ギグワーク」

 コロナ禍の中、場所や時間、組織に縛られることなく、単発・短期で働ける「ギグワーク」のニーズが高まっているという。

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 いわゆるフリーター、そしてフリーランサーとの違いについて、リクルートワークス研究所の村田弘美・グローバルセンター長は「フリーター(アルバイト)は雇用で、フリーランサーは個人事業主だ。後者に分類され、インターネットを介して単発の仕事をするのがギグワーカーだ。つまり、フリーランサーの中にギグワークカーが含まれるとも言える」と説明する。

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 「政府が副業を後押ししていることもあって、単発的に空き時間でできる仕事をする人が増えたこと、さらにコロナ禍によって、在宅勤務になったことで、本来であれば通勤に使っていた時間帯にUber Eatsのような形で、近所で働くことができるようになった。また、企業の側も環境が変わり、人材不足になってきている。そこに仲介サイトが増え、マッチング精度も向上したことで、双方が希望に合う仕事、人材が見つけやすくなったということがある。リクルートがIndeedを通して調べた結果、1工程7円という単価から、WEBやアプリの開発で1件100万円という単価もあり、非常に幅がある。フリーランスの方向けの調査の場合、平均で約1800円(事務職で1815円、営業職で1943円、クリエイティブ職で1762円)という結果が出ているので、時給で言えば大体2000円弱くらいになるのではないか」。

■「頑張ったら頑張った分だけお金になっていくのがギグワークの魅力」

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 2年前からギグワーカー向け求人を手掛けるシェアフル株式会社の横井聡副社長は「世の中全体が新しい働き方を求めるようになってきている。我々の場合、面接なし、履歴書なしで、働いてすぐにお金がいただけるということで、仕事を探しに来られる方も増えてきている」と話す。

 実際にギグワーカーとして働いている人に話を聞いてみた。今年2月からUber Eatsの配達員をしている神田遥香さんは「3年間続けていた派遣のバイトを体調不良で辞めることになり、ニート生活を送っていた。ギャンブルに溺れてホームレスにもなったが、働かなければという気持ちもあった。そんな時に知ったのがUber Eatsだった。いきなり週5で働くのは自信がなかったが、やりたい時にやれて、辞めたくなったら辞められるそんな気軽な気持ちで始められるということが、自分の背中を押してくれた」と話す。

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 今では最高で1日に44件、月収40万円を稼ぐ。「1件運ぶごとに500円くらいがもらえる。続けていくうちに、50万、60万と稼げることに気が付いて夢があると思い、上を目指すようになった。倉庫の仕事をしている時は、どれだけ頑張っても給料は皆と一緒。頑張れば頑張るほど損しているんじゃないかという気持ちがどこかにあった。Uber Eatsはそれと違って、頑張ったら頑張った分だけお金になっていく。それが魅力だと思っている。Uber Eats以外にもデリバリー系の会社が増えてきているので、周りも私も掛け持ちしている」。

 一見、孤独に見える配達員たちだが、仲間意識もあるのだという。

 「Uber Eatsには労働組合みたいなものが存在するのは知っているし、全員が適用される保険がある。配達中に商品を破損してしまった場合はサポートセンターに連絡する。Twitterには同業のコミュニティがあって、近くもなければ遠くもない感じが居心地がいい。集まってバーベキューをすることもあるし、すごく楽しい。彼氏も商品のピック先のお店で出会ったUber Eatsの配達員だ(笑)。将来は純粋にお嫁さんになりたいが、子どもを産んでお母さんになってもできる仕事かなと思っている」。

■市場規模が拡大を続ける「シェアリングエコノミー」

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 物や場所、時間などを共有する「シェア」の思想。カーシェアやルームシェアなど、我々の生活にも浸透しつつある「シェアリングエコノミー」だが、一般社団法人シェアリングエコノミー協会の市場調査によれば、その経済規模は2030年に11兆円規模になると予測されている。

 シェアリングエコノミー実践家の加藤こういち氏は「右肩上がりの業界だと思う。今年はコロナの影響で観光業が落ち込んでしまったり、ITやスマホアプリを使えないとシェアリングエコノミーが利用できない事情があったが、オンラインが普及したし、それこそUber Eatsのような業態や場所貸し、対面型のスキルシェアは伸びていった」と話す。

 その「スキルシェア」こそ、シェアリングエコノミーの働き方バージョンだ。

■“好き”“得意”を活かして月収80万円

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 英語の教員免許を持つ糸原絵里香さん(25)は、TOEIC対策を指導したり、大学と大学院で学んだ心理学を活かしたオンライン相談、趣味を活かしたオンライン料理教室も開催するなど、多種多様なスキルを提供することで月に80万円を稼いだことがあり、シェアワーカーのマッチングサイト「ストアカ」で全国ランキング1位に輝いたこともあるという。

 「もともとやりたいことがいっぱいあったので、特定の企業に就職してしまえば、仕事が一つになってしまうと考えた。人生は一回だけなので、全てを仕事として誰かに提供できたらいいなと思った。それを叶えられるのがシェアリングエコノミーだった。“需要と供給”なので、そのスキルが欲しいと思う人がいれば仕事になる。例えばマンホールにめっちゃ詳しい人によるマンホールツアーが大人気になっていて、シェアエコならではと思った」。

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 シェアワークには「おてつ旅(農家など行く人は旅、向こうはお手伝い)」「ビルの屋上の畑シェア」「バンシェア(キャンピングカーでワーケーション)」「介護施設でのシェア」などもあるという。

 糸原さんも、「仕事と休みの境目がないが、楽しいのでずっと仕事をしているようでずっと休んでいるみたいな感覚だ。今後はオンラインで販売できるものを広げていきたい」と意気込んだ。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

Uber Eats配達員を始めて人生が変わった!? ギグワークの魅力に迫る
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