“魔王”の選択がズバリと的中した会心のアガリだった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」11月3日の第1試合で、KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)がダブ東と両面待ちを捨てたカンチャンリーチで親の倍満をツモアガリ。8本場という珍しい状況で生まれた「8800オール」の点数申告を、アガった本人も「人生で言った記憶ないですね」と振り返った。
自身5戦3勝と開幕から好調を維持している佐々木は、この日も東1局から幸先よく1万2000点のツモアガリでスタート。しかし“魔王”の豪腕が本当の意味で唸りをあげたのは、他家のテンパイ連荘と流局で積み棒が貯まりに貯まった東4局8本場だった。
親の佐々木は自風と場風のダブ東を第1ツモで暗刻にすると、11巡目に三色同順とダブ東の両天秤となるテンパイを入れる。ドラの3索を切れば5・8索待ちのテンパイとなる場面だったが、ここで佐々木はノータイムで東を暗刻から1枚落として雀頭とし、三色同順確定のカン4索待ちの即リーチを敢行。直前に8索が連続で切られ、自身から6枚見えの両面は「待ちが悪い」と判断しての東切りリーチだったが、変化の可能性を考慮したダマテンも選択できる場面だっただけに、解説の渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)も「そっち!?」と思わず驚く一打だった。
するとこの選択がズバリと決まり、佐々木は山に2枚残った4索を見事に一発ツモ。さらに裏ドラは雀頭の東でリーチ・一発・ツモ・三色同順・赤・ドラ・裏2の2万4000点となり、実況を務めた松嶋桃(協会)は「これはすごい!裏裏なんですけど!」と驚愕。「8800オール」という点数申告に解説の松本も「聞いたことないよ!」と思わずツッコミを入れ、多くの視聴者も「この選択はバケモン」「大魔王降臨w」「かっこよすぎる!」「こんな麻雀知らんわw」「マジで鳥肌立った」「意味わからんくて草」と度肝を抜かれていた。
この強烈な一撃でほぼ勝負を決め、自身4勝目となるトップを獲得した佐々木。試合後の勝利者インタビューでは倍満の場面を振り返り、ダブ東の5・8索待ちではなく三色同順の4索待ちを選んだことについて「1000年に1人の手役派」を自称するジョークを披露。さらに持論の“引き算理論”で「4索が山に4枚あったかもしれないし」と語るなど舌も滑らかだった。またプロ雀士として豊富なキャリアを誇る佐々木にとっても、親の倍満ツモと8本場が重複した「8800オール」という点数申告は「人生で言った記憶ないですね」というほど珍しいものだったようだ。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
この記事の画像一覧






