どんな一流アスリートでも、いつかは訪れる引退。生涯獲得賞金22億円超えのレジェンドボートレーサー・植木通彦が、そんな引退時の感情を包み隠さず語った。11月7日、ABEMA「ABEMA BOATRACE TOWN『知識で争う波乗王』」に解説として生出演した植木は、番組内の人気コーナー「おしえて!植木さん」で、視聴者からの投稿「引退を決めてからのレースは怖くなったりしましたか?」に回答。「ボートレース鳴門で確か10レース、選抜戦の1枠だったと思う」と当時を振り返った。
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「これで終わりとなると、足は震えるし、ハンドルをどうやって切っていたのかも一瞬、忘れた」。水上の格闘技とも呼ばれる、常に危険と隣り合わせの競技ならではの告白に周囲が驚くと、「(レースの)準備で集合ランプがついても、怖さがどんどん出た」とも続け、「いわゆるパニックですよね」と自身を分析した。これに、MCを務めた手相芸人の島田秀平が「メンタルですよね」「現役の頃は怖くなかったのに、荷を下ろした瞬間に恐怖心が芽生える」と一定の理解を示すと、植木は「これはいけないと思って、トイレで顔をバンバンと叩いた」とも。結果的に「1位でゴールした」そうだが、「その表情を対戦相手に見せまいとするのがきつかった」と語った。
植木曰く、そのレースは「プロと一般人になる境目」。「別の僕を作って、冷静に僕を見ようとした数分間だった」と回想すると、あまりに深い話に共演者たちはただただ頷くばかりだった。
(ABEMA/BOATRACEチャンネルより)