恐怖を振り払った覚悟の押しが、待望の勝利をもたらした。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」11月10日の第2試合で、ここまで不調にあえいでいた渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)が自身7戦目にして今期初トップを獲得した。
【動画】白鳥翔、久々の勝利ポーズがちょっとぎこちない(2時間58分ごろ~)
この試合の対局者は起家からKADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾(協会)、白鳥、EX風林火山・滝沢和典(連盟)、赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)。堀のみ第1試合からの連投となった。
トップ目で迎えたオーラスの南4局、白鳥は必死に恐怖と戦っていた。1万3900点差の3着目で親の鈴木から南単騎待ちのリーチが入るも、自身もアガればトップの場面で1・4索待ちの平和テンパイ。なんとしても初勝利をものにしたい白鳥が、終盤につかんだのは鈴木のリーチに対して超危険牌と考えられる五万だった。
インタビューで「死ぬほど怖いですけど、トップを取るためにはどこかで押さないといけない」と振り返ったこの場面で、白鳥は決死の五万プッシュでテンパイを維持。直後に鈴木から4索が放たれてタンヤオ・平和・ドラの3900点(供託1000点)でトップを決めると、視聴者からは「素晴らしい!」「これはカッコ良すぎる」「よく押したああああ」「おめでとう白鳥!」と祝福と称賛のコメントが殺到。苦しみを乗り越えて初勝利を手にした白鳥の口元には、思わず安堵の笑みが浮かんでいた。
試合は序盤から均衡した展開となるも、白鳥は南1局2本場の8000点(+600点、供託1000点)でわずかに堀を交わしてトップ目に浮上。その後も激しい競り合いの中で細かいアガリを重ねて初勝利の好機を手繰り寄せたことが、鈴木のリーチと対峙した場面へとつながった。
昨期はレギュラーシーズンで+290.2の個人4位と実力を存分に発揮した白鳥だったが、今期はここまで6戦を終えてラス3回を含む未勝利と、全21選手中最下位に終わった2018シーズンの悪夢を思い起こさせるような苦しいスタートとなっていた。しかし11月5日の第1試合で2着に入り復調のきっかけをつかむと、迎えたこの試合でついに念願の初トップをゲット。試合後には渋谷ABEMASの藤田晋監督も「五万押して偉かった!」と勇気を振り絞って勝負に出た白鳥を称えていた。
【第2試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)4万2600点/+62.6
2着 KADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾(協会)2万4600点/+4.6
3着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)1万8900点/▲21.1
4着 EX風林火山・滝沢和典(連盟)1万3900点/▲46.1
【11月10日終了時点での成績】
1位 EX風林火山 +359.6(22/90)
2位 赤坂ドリブンズ +283.7(22/90)
3位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +49.6(22/90)
4位 渋谷ABEMAS ▲55.1(22/90)
5位 TEAM雷電 ▲124.3(22/90)
6位 U-NEXT Pirates ▲156.1(22/90)
7位 KADOKAWAサクラナイツ ▲169.1(22/90)
8位 セガサミーフェニックス ▲188.3(22/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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