百戦錬磨のトップ雀士も、思わず心境が顔に出てしまうような牌の巡り合わせだった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」11月10日の第1試合で、逆転トップを狙うKADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾(協会)がリーチに対して超危険牌の赤五万をキャッチし、苦悶の表情を浮かべるシーンがあった。
ルーキーイヤーながらもKADOKAWAサクラナイツの主力として活躍し、“ガチ枠”という前評判に違わない強さを見せている堀。東1局の親倍満ツモでEX風林火山・勝又健志(連盟)が大きく抜け出す展開となった10日の第1試合も負けじとトップを狙い、4回のアガリで1万2900点差の2着目まで迫って南3局の親番を迎えた。
3着目の赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)が8巡目に二・五万待ちのリーチで攻勢に出るも、トップ獲得のために親を落とすわけにはいかない堀も仕掛けを入れて4・7索待ちでテンパイ。山に2枚ずつ残ったアガリ牌をめぐって2人のめくり合いが続く中、最終盤に堀がつかんだのは放銃すれば問答無用で1翻アップとなる赤五万だった。
実際に村上に当たるかどうかは堀の目からは不明ながら、止めればテンパイが崩れてしまう無筋の赤ドラという超危険牌に、首をひねりながら苦悶の表情を浮かべる堀。視聴者から「これはキツい」「よりにもよって」「うわあああ」「地獄」「嫌そうw」「がくーんとくる赤」といったコメントが殺到する中、オリを選択するとトップまで跳満ツモという厳しい条件がオーラスに残ることを考慮し、堀は覚悟を決めてテンパイ維持の赤五万切り。村上へのリーチ・発・赤の5200点の放銃となり、堀の執念は実らず2着でフィニッシュとなった。
堀と親交が深い解説の渋川難波(協会)は試合直後にインタビューを行ったことを明かし、「赤五万はそりゃ当たるよ。それでも切るくらいトップが欲しかった」というコメントを紹介。結果はどうあれ、どんなときも限界までトップを狙う堀の姿勢は「あれは勝負」「良い放銃だった」「堀ってメンタルめっちゃ強いと思う」と多くのファンの印象に残ったようだ。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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