
担当医の山下悠毅・ライフサポートクリニック院長によると、露出症にはギャンブル依存症とよく似た部分があり、露出をする機会から遠ざけることが治療のベースになるという。そのため、コウキさんが本を出版したことに伴いメディアからの取材を受けることは許可したものの、スタジオでの番組への出演については認めなかったと説明する。「今日ここに来ることは治療上もあり得ないと判断した。行く途中、帰りがけもリスクにつながる。やはり夜間に一人で出歩かないことが大切だ。そのことは患者さんも理解されている」。

その上で山下医師は「例えば山登りや釣りを考えてほしい。本来、山登りというのは辛いもので、あまり楽しくないはずだ。あるいは釣りも、簡単に魚が獲れるわけではない。しかし“ビギナーズ・ラック”のように、山登りは気持ちいいんだ、たまたま釣れちゃって、周りからも褒められて楽しい、というような体験をしてしまうと、本能レベルで“またやりたい”と思ってしまうようになる。一方で、我々は普段から露出行為をしたくて我慢しているわけではないし、“露出をしてもいいよ”“1万円あげるからしてごらん”と言われても、やる人はいないと思う。それなのに刑罰を受けると分かっていてもやってしまうということなので、やはりこれは病気だ。また、性欲が関係していると思われがちだが、実はそうではなく、“みんなができないことが俺にはできるんだ”ということが楽しい。しかもギャンブルと同じで、“できるかな、どうかな”というところが面白いので、“今度はもっとばれやすい場所で”と、捕まるまでハードルを上げてしまう」と説明する。
「最も大事なことは、刑罰では治らないということ」
