16日、来日中のIOCバッハ会長が東京都の小池都知事、菅総理と相次いで会談、国内外からの選手・観客を入れた状態での大会開催に向け連携していくことで一致。菅総理は「来年の夏、人類はウイルスに打ち勝った証として、復興オリンピック・パラリンピックとして、東京大会の開催を実現する決意」と述べた。

 さらにバッハ会長は大会組織員会の森会長との会見で「9カ月後には、今よりも新型コロナ対策ツールが増えている。世界中でより正確な検査も開発されているだろう。数週間では無理かもしれないが、数か月では可能だ。ワクチンも開発されている自信がある」として、来年7月23日の開幕に向け、改めて意欲を見せた。

 前衆議院議員で、内科医としてアトランタオリンピックから5大会連続でオリンピックドクターも経験した小松裕氏は「バッハ会長としては、決意を示した、ということだと思う。4カ月後、半年後がどういう状況になっているか分からない以上、今“できない”と決めるべきではない。内村航平も言った通り、“どうやればできるか”を考えないといけない」と強調する。

 「選手だけであればおそらく実施は可能だと思うし、無観客というのも一つの方法だろう。しかし無観客であればどこで開催してもいいし、それではあまり意味がないと私は思う。海外からの方も一緒に観戦することで世界平和に貢献するというのもオリンピックの役割だ。選手村で選手たちが交流できることもオリンピックの魅力だ。招致のときに“おもてなし”を訴えた日本で開催する意義もそこにある。感染予防をしっかりしながら、みんなが安心して観戦できる、というところを目標にしないといけない。バッハ会長も言っていたが、ワクチンが実用化されてみんなに打てる状況になっているかどうか。これも大きなポイントだろうと思う。様々な状況を想定してプランを作っていかないといけない。状況によっては出国前の検査、入国前の検疫をしっかりやる必要があるし、観客の動線、移動の制限に関しても、判断しないといけないだろう」。

 バッハ会長は、8日に国立代々木競技場で観客を入れて(2000人に制限)行われた体操の国際大会を念頭に、「日本は今の段階でも安全なスポーツイベントを開催することを示した」とも発言している。

 この大会では、海外の選手は出国2週間前から隔離環境で練習、PCR検査を毎日受けるなど自らを管理、さらに中国選手団はウイルスを持ち込むのを防ぐため、防護服姿で来日。また、会場では各所に空気清浄機を置き、選手は検温、アルコールでの手指の消毒、さらには4か所から出る除菌ミストを浴びるなどの感染防止対策を実施した。

 終了後、オリンピック金メダリストの内村航平選手は「できないじゃなくて、どうやったらできるかを、皆さんで考えて、どうにかできるように、そういう方向に考えを変えてほしいなって僕は思います」とコメントしている。

 「オリンピックが経済に与える影響についての議論もあるが、現場では儲かる・儲からないという話はあまり聞いたことはない。私も内村航平と話をしたたが、“いろんなことが起こるけれども、それらを経験しながら乗り越えていこう、という気持ちになる。オリンピックのレガシーにも目を向けてくれと言ってくれ”と言われた。このレガシーとは、儲かる・儲からないではなく、将来に続いていくオリンピックの価値だ。今回も、苦労をしながら、工夫しながらやった、ということが大きなレガシーになる。その意味でも、自国でオリンピックを開催する価値は大きい。選手たちも、いつもお世話になっている皆さんの前で最高の演技をしたい、プレーをしたいと思っている。そういう夢を叶えさせてあげることが、日本のためになる」(小松氏)。

 ジャーナリストの堀潤氏は「こういう時代だし、いい経験にもなるし、僕は絶対に開催した方がいいと思う。ただ、思い描くのは“フルスペック”の開催だが、実際にはどの競技をやってどの競技をやらないのか、どの国を呼んでどの国は呼ばないのかといった議論も出てくると思う。であればこそ、より参加感があるものを作っていくことが必要だ」と指摘する。

 「ザハさんの新国立競技場の計画が出てきた頃、文科省の関係者が“東京2020はこれまでにないメディアのオリンピックになる。今まで見たことがないような中継のテクノロジーを導入するんだ”と言っていた。5G元年だと言われていた、あの話はどこへ行ったのか。部分的でもいいから、今こそ技術も人も知恵も投入して、来られない人、現地で見られない人たちに新しい体験、“こうやって観るのが新しいオリンピックなんだ”というのを示して、次のオリンピックに渡すということをやってほしい」。

 オリンピックに向けて、感染対策の実験も着々と進んでいる。横浜スタジアムでは満員の観客を入れた場合の、感染対策の実証実験が行われており、混雑具合やマスク着用率などを調査している。開催の最終決定に向け、バッハ会長は「我々も時間軸を決めないといけない。WHOからも専門知識を得るようにし、それらの意見に基づいて決定する」と話していている。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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