トップのTEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)から同着ラスまでの点差は、わずか2000点。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」11月17日の第2試合で、同リーグ史上最少得点の「2万6200点」でのトップという珍しい記録が生まれた。
【動画】史上最少スコアでのトップ記録更新の瞬間(2時間57分ごろ~)
第2試合は起家からU-NEXT Pirates・瑞原明奈(最高位戦)、KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)、瀬戸熊、赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(最高位戦)の並びでスタート。内川のみ第1試合からの連投となった。
東場で抜け出した内川と鈴木を追って、瀬戸熊も南2局にリーチ・ツモ・平和・ドラ2・裏の1万2000点のアガリを決め、男性陣による三つ巴のトップ争いとなったこの対局。「フラストレーションが溜まる展開でした」と3人に引き離されていた瑞原も、南3局にトップ目の内川から白・中・ホンイツ・ドラの8000点(供託1000点)を直撃し、オーラスに跳満ツモなら2着、さらにリーチ棒が1本でも出ればトップという条件を作り出した。
トップ目のラス親・鈴木は3万200点、瀬戸熊は2万9200点、内川は2万7200点と、上位はテンパイ・ノーテンでも着順がひっくり返る僅差の南4局。しかしここで劇的な着順アップを果たしたのはラス目の瑞原だった。678の3色同順がはっきりと見える好配牌からリーチまで一直線に駆け抜け、高目をツモってリーチ・ツモ・タンヤオ・平和・三色同順の1万2000点。困難な条件を見事にクリアした瑞原が一気に2着まで浮上し、瀬戸熊が鈴木の親被りによって“漁夫の利”のトップを獲得することになった。
瀬戸熊の最終的な持ち点は、Mリーグのトップ史上最も少ない2万6200点。2着の瑞原は2万5400点、そして悔しい3着同着となった内川と鈴木は、原点からわずか800点しか減らしていない2万4200点だった。瀬戸熊から内川・鈴木までわずか2000点という微差ながら、順位点によって70ポイント(7万点)以上もの差が生まれるという恐ろしさ、そして供託のリーチ棒や積み棒、ノーテン罰符などが結果を左右しうる麻雀の奥深さが凝縮された対局となった。
超僅差の決着とあって試合後には全4選手へのインタビューが行われ、勝利をつかむチャンスも充分にあっただけに内川と鈴木は無念さをにじませた。一方、土壇場で2着に食い込んだ瑞原は満足気な表情を浮かべ、さらにトップの瀬戸熊は開口一番「ツイてましたね」と笑顔でコメント。経験豊富な瀬戸熊が「こんなトップはなかなかないですし、ツイていた以外のなにものでもない」と繰り返し語るほど、ほんの少しの偶然と幸運が結果を左右した稀に見る大接戦だった。
【第2試合結果】
1着 TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)2万6200点/+46.2
2着 U-NEXT Pirates・瑞原明奈(最高位戦)2万5400点/+5.4
3着 KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)2万4200点/▲25.8
3着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(最高位戦)2万4200点/▲25.8
【11月17日終了時点での成績】
1位 EX風林火山 +354.9(26/90)
2位 赤坂ドリブンズ +268.3(26/90)
3位 渋谷ABEMAS +75.4(26/90)
4位 U-NEXT Pirates ▲10.1(26/90)
5位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲65.6(26/90)
6位 TEAM雷電 ▲164.5(26/90)
7位 KADOKAWAサクラナイツ ▲191.7(26/90)
8位 セガサミーフェニックス ▲266.7(26/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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