その強さはもはや「勢い」や「風」といった曖昧な概念では片付けられない。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」11月19日の第2試合で、渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)が役満・四暗刻をアガった16日の対局に続いての個人2連勝を飾った。
この試合の対局者は赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)、TEAM雷電・萩原聖人(連盟)、松本、セガサミーフェニックス・和久津晶(連盟)の並びでスタート。
前回出場した16日の第1試合では親番で四暗刻の一発ツモを決め、Mリーグ史上最速の6巡目での役満を成就させた松本。この快勝で大きな自信を手にしたのか、今期絶好調の“リーチ超人”村上、是が非でも初勝利をものにしたい萩原、前回トップで復調気配の和久津という40代の3者を相手に、20代という若さを感じさせない堂々たる“強者の麻雀”を披露した。
東2局、松本は挨拶代わりのリーチ・一発・ツモ・赤・裏の8000点でトップ目に立つと、東3局の親番では萩原からリーチ・平和・赤・裏2の1万2000点を直撃。“熱血実況”こと日吉辰哉(連盟)が「勢い」や「風」というフレーズでその好調ぶりを表現する中、試合のハイライトになったのは七対子イーシャンテンながらもメンツ手も見えるという「難解な好配牌」を手にした東4局2本場だった。
同団体の先輩にあたる解説の渋川難波(協会)が「作り上げるのが難しい」と分析した配牌を、松本は無駄のない手順でメンツ手に仕上げて7巡目に先制リーチ。これを自らツモってリーチ・ツモ・赤2・裏の8000点(+600点)をさらに加点すると、実況の日吉は「完全に俺の時代!今まさに俺の時代!輝いてるだろ俺は!」と“松本目線”で絶叫。解説の渋川も「今のは本当に難しい手順でした。お見事!あっぱれ!」と後輩のファインプレーを手放しで称賛した。
3回のリーチすべてを満貫のアガリに結びつけて大きなリードを築いた松本は、四暗刻をアガった16日と同様に盤石のゲーム運びで悠々と逃げ切り勝ちを収めた。自身3勝目で個人スコアも4位に浮上と、悲願の初優勝を狙う渋谷ABEMASのポイントゲッターとして覚醒の時を迎えた松本。勝利を重ねて得た自信も、大きなマイナスに終わった2019シーズンの苦しい経験も糧にして、“若手”という肩書きが必要ないほどの強豪雀士へと成長を遂げつつある。
【第2試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)5万900点/+70.9
2着 赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)2万9300点/+9.3
3着 セガサミーフェニックス・和久津晶(連盟)2万800点/▲19.2
3着 TEAM雷電・萩原聖人(連盟)-1000点/▲61.0
【11月19日終了時点での成績】
1位 EX風林火山 +354.9(26/90)
2位 赤坂ドリブンズ +286.6(28/90)
3位 渋谷ABEMAS +128.3(28/90)
4位 U-NEXT Pirates ▲10.1(26/90)
5位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲65.6(26/90)
6位 KADOKAWAサクラナイツ ▲191.7(26/90)
7位 セガサミーフェニックス ▲225.8(28/90)
8位 TEAM雷電 ▲276.6(28/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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