もうスロースターターとは言わせない、“魔王”の勢いが止まらなくなってきた。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」11月20日の第1試合で、KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)がハーラー単独トップとなる個人6勝目を挙げた。
この試合の対局者は佐々木、EX風林火山・勝又健志(連盟)、KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)、U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)の並びでスタート。
以前から自分が勝った対局、アガった場面しか振り返って見ることはしないと公言している佐々木は対局前、自身のTwitterで「連休に向け、何度も見返すことのできる試合にしたく思います。」と投稿、戦いへ向けた熱い思いを発信し続けていた。その佐々木に、東1局の親番で早々にチャンス手が訪れた。
ピンズが多い配牌で「ホンイツコンサルタント」の異名を取る佐々木らしく、染め手に一直線と思いきや、孤立の六万を残し、慎重にメンツ手を見るとこれがズバリうまくいき、タンヤオ・赤2のテンパイを果たす。これに沢崎が飛び込んで、佐々木は7700点のスタートダッシュを決めた。そして、単発の攻めで終わらないのが今期の“魔王”の恐ろしいところ。東2局にはリーチ・平和・赤・裏ドラの8000点を小林からアガって、持ち点は4万点を超えた。
佐々木がこの日相手にしていたのは、各チームにおけるエース級の3者。序盤のリードだけで悠々と逃げ切り勝ちとは問屋が卸さず、勝又、沢崎、小林それぞれに猛反撃を受けた。“ロボ”こと小林が親で跳満をツモり、ラス目からの挽回を期す勝又からもリーチで攻め立てられると、佐々木は3万点台まで点棒を削られ、沢崎とも肉薄するスコア状況となった。それでも表情は変わらず淡々と、かつ打牌スピードを落とさない佐々木らしい戦いぶり。終盤はディフェンス重視、抜群のバランスで南4局まで大きな失点をせず、個人成績単独トップとなる今期6勝目を獲得した。昨年、一昨年と序盤に不調が際立った佐々木に「スロースターター」の評価もあったが、今年はそれを覆す活躍ぶりだ。
インタビューでは「いやあ、苦しかったですね」と一言。今期はこれまで親で「8000は8800オール」という本人も過去に記憶がないと語るほど派手な倍満で、圧倒的なスコアでの勝利があったが、この日はライバルの反撃を凌ぎ切るまでに、かなり労力を要した様子だった。この日の解説を務めていた多井隆晴(RMU)は要所での佐々木の防御に言及し、「僕はMリーガー全員の打ち方を研究していますが、寿人さんは打ち方を変えてきていますね。2、3年前なら押しているところをしっかり守っている」と、スタイルの進化に唸る場面もあった。
最後にはファンに向けて「3連休、ゆっくりお過ごしください」と一言。これには「苦しい勝利に見えたなさすがの寿人さんも」と激戦をねぎらうコメントや、「この人マジで強いよなあ」「勝ちっぷりがすごい」「麻雀の本質を理解してるんだな」と、強さを称える声が続いていた。
【第1試合結果】
1着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)4万3900点/+63.9
2着 KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)3万2200点/+12.2
3着 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)2万9900点/▲10.1
4着 EX風林火山・勝又健志(連盟)-6000点/▲66.0
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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