プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」11月24日の第2試合は、渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)が南場の鮮やかな逆転劇で今期2勝目をゲット。同じ団体に所属する先輩雀士3人を相手に自らの力で勝利を手繰り寄せ、世代交代を高らかにアピールした。
この試合の対局者は白鳥、EX風林火山・滝沢和典(連盟)、TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)の並びでスタート。華やかな女性卓だった第1試合とは打って変わって、日本プロ麻雀連盟の人気男性プロが揃った“男前対決”となった。
34歳と対局者中最年少の白鳥にしてみれば、数々のタイトル戦や放送対局で活躍する瀬戸熊、滝沢、佐々木はプロ入り以来その背中を追いかけ、目標にしてきた同団体のスター選手。また今期のMリーグの個人スコアでも3人の後塵を拝しており、是が非でもトップを取って存在感を示したい一戦だ。
長年のライバル関係にある滝沢と佐々木が激しく点棒を奪い合う“タキヒサ”対決の様相を呈した東場から一転して、南場は白鳥が華麗な舞いを見せる。南1局3本場、滝沢と佐々木の2軒リーチに気迫を込めた三万待ちの七対子リーチで割って入ると、トップ目の滝沢からこれを直撃。リーチ・七対子・ドラ2の1万2000点(+900点、供託4000点)のアガリをものにして、一撃でラス目からトップ目に躍り出た。
さらに続く南1局4本場、解説のU-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)も「難しい」と口にした打牌選択をズバリと的中させ、リャンシャンテンからリーチ・一発・ツモまで一直線の見事な手順で1万2000点(+1200点)を加点。親満貫2連発で大きなリードを築くと、その後は盤石の試合運びで先輩たちに付け入る隙を与えなかった。
試合後のインタビューで「瀬戸熊さんと、滝沢さんと、寿ちゃん(佐々木)。好調な3人、同じ団体の中でずっとやってきている先輩たちの中でトップを取れたのがすごく大きい」「めっちゃ嬉しいですね」と喜びを口にした白鳥。さらに解説を務めていた同世代の朝倉にも言及し、「俺らの世代が頑張らなきゃいけないんじゃないか、というのを見せられたと思います」と若手から中堅に差し掛かる30代雀士の代表として麻雀界を引っ張る気概を示した。
すると朝倉も「やっぱりベテランの方ばかりが勝っていると、もっと下の世代の人たちも勇気が出ないと思う」と白鳥に同調。脂が乗った40代以上の選手たちが強さを誇示する機会が多いMリーグにあって、白鳥のこの勝利が世代交代の端緒となるのか。全チームがレギュラーシーズンの3分の1にあたる30試合を終えて、激しい順位争いはもちろん、それぞれのプライドがぶつかり合う“世代間抗争”からも目が離せなくなってきた。
【第2試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)4万9000点/+69.0
2着 TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)2万7600点/+7.6
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)1万7000点/▲23.0
4着 EX風林火山・滝沢和典(連盟)6400点/▲53.6
【11月24日終了時点での成績】
1位 EX風林火山 +274.0(30/90)
2位 赤坂ドリブンズ +269.8(30/90)
3位 渋谷ABEMAS +198.7(30/90)
4位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲29.1(30/90)
5位 U-NEXT Pirates ▲106.4(30/90)
6位 KADOKAWAサクラナイツ ▲176.1(30/90)
7位 TEAM雷電 ▲212.0(30/90)
8位 セガサミーフェニックス ▲218.9(30/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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