将棋の竜王戦七番勝負第4局が11月26、27日、鹿児島県指宿市「指宿白水館」で行われ、豊島将之竜王(叡王、30)が挑戦者の羽生善治九段(50)に勝利、シリーズ成績3勝1敗とし初防衛に王手をかけた。前人未到のタイトル100期をかけて2年ぶりにタイトル戦出場を果たした羽生九段だったが、3敗目を喫して後がなくなった。
過去37回の対戦では豊島竜王が19勝、羽生九段が18勝と互角の星となっていた両者だが、本局は横歩取りの出だしから1日目は互角で終了。2日目に入り本格的な攻防が始まると、豊島竜王がじりじりとリードを広げ始めた。羽生九段も反撃のきっかけをつかもうと手を繰り出すものの、豊島玉をつかまえるには至らず勝負あり。タイトルホルダーが4人であることから“四強時代”とも呼ばれ始めた中、序列2位で活躍し続ける豊島竜王の力を十分に発揮した一局となった。
対局後、初防衛に王手をかけた豊島竜王は「重要な対局が続くので一局一局、精一杯やりたいと思います。変わらず指したいと思います」とコメント。後がなくなった羽生九段は「動いていったんですけど、少しずつ無理をしていったのかもしれません。ちょっとずつ苦しくなっていったような気がします」と振り返ると、一時入院もしていた体調面については「対局そのものは普段通り指すことはできたと思います」。次局に向けて「また気持ちを新たにして臨みたいと思います」と言葉を絞り出していた。
第5局は12月4、5日、神奈川県足柄下郡「ホテル花月園」で行われる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)