ここ数年、雨の降り方は明らかに変わった。「50年に一度」も、もはや珍しくはない。今年7月、そんな豪雨が再び列島を襲った。7県に大雨特別警報が出され、熊本県では日本三大急流の一つ・球磨川が氾濫、各所で水位が過去最高を記録した。流域は広範囲にわたって浸水、多くの人たちが取り残された。
 球磨川に寄り添うように225世帯が暮らす球磨村の神瀬地区も、壊滅的な被害を受けた。生まれ育ったこの地区に住みたいとの思いがある一方、激甚化する災害に「再び同じような雨が降ったら命を守ることができるだろうか」と葛藤する住民たち。(熊本朝日放送制作 テレメンタリー『守りたい 守れない ~気候危機のただ中で~』より)